2019年07月09日
既出キーシン・プレイズ・ショパンに3曲を加えたバジェット価格盤、キーシン青年期のショパン演奏の記録
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以前ショパン生誕200周年記念に合わせてリリースされたRCAレッド・シール5枚組のライヴ及びセッション録音が、今回ソニー・クラシックスからより簡易な廉価盤ボックス・セットで復活した。
しかも前回には入っていなかった1990年のカーネギー・ホール・デビュー時の『ワルツ第7番』嬰ハ短調Op.64-2及び1987年のサントリー・ホール・ライヴの『ノクターン第10番』変イ長調Op.32-2と『ポロネーズ第5番』嬰へ短調Op.44の3曲が最後のCDに新しく加わっているのがセールス・ポイントだ。
このセットは15歳でサントリー・ホールに登場してから、30代前半までのキーシン青年期のショパン演奏の記録である。
それはまた繰り返し録音をしない彼のポリシーからすれば、貴重なショパンの集大成と言っても良いだろう。
ここでも彼は自然に溢れ出るような格調高い音楽性を歌い上げながら、時として突き進むような集中力と華麗なテクニックで圧倒的な表現力の広さを披露している。
確かに彼の『エチュード』が存在しないのは残念だが、『ノクターン』や『マズルカ』あるいは静謐な『子守唄』で聴かせる洗練された感性とエスプリは、メカニック的な技巧のみに溺れないキーシンの音楽に対するフレキシブルな姿勢を良く示している。
更に5枚のうち3枚がライヴ録音であることを考えれば彼の完璧主義が面目躍如たる演奏だ。
このセットも限定生産のバジェット盤なので、例によってジャケットは総てボックスと同じ写真で統一されている。
ライナー・ノーツ等は一切省略されているが、それぞれのジャケットの裏面の録音データを参考にすることができる。
録音年代は1987年から2004年で、ライヴとセッションではいくらか音質にばらつきがあるがいずれも良好だ。
2011年リスト・イヤーに同じくソニーからリリースされたフランツ・リスト・アルバムの2枚組と合わせてロマン派2大ピアニストのキーシン・コレクションが手頃な価格で揃ったことになる。
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