2021年02月11日

ステレオ録音によるイタリア弦楽四重奏団のラヴェルとドビュッシー


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イタリア弦楽四重奏団は彼らの長いキャリアの間にドビュッシーの弦楽四重奏曲ト短調Op.10を3回、ラヴェルの同ヘ長調を2回録音している。

このCDに収められた音源はどちらも1965年にフィリップスに入れたステレオ録音で音質も極めて良好だ。

聴く前の予想では前回より角がとれたまろやかな表現になっている筈だと考えていたのだが、全く予想を裏切られた。

1956年のモノラル盤ドビュッシーを聴き直してみたが、その情熱と覇気は音楽の内面に昇華されるどころか、9年後のこのセッションでもますます外側に向かってアピールされ、しかもステレオ録音ということもあって、臨場感は旧盤を凌いでいる。

結成以来既に20年を経過していた当時でさえ、演奏は熟成という方向に向かうのではなく、いつまでも新鮮味を失っていない。

第2楽章の恐るべきピチカートの応酬も健在だ。

やはりこれがイタリア弦楽四重奏団の本来の姿なのだろう。

彼らのフランスものは原色をカンバスにぶつけたような強烈な色彩感があり、それは水彩のデリカシーではなく、圧倒的な油彩の世界に喩えられる。

勿論彼らはいたるところに歌を見出し、メロディーを浮かび上がらせる技でも一級の腕前を持っている。

そこはかとない情緒や陰影には無縁の表現だが、リズムや和声の明瞭な変化とその際立った対比を武器にしてスケールの大きい推進力を生み出して、聴き手を引き込んでやまない魅力に溢れている。

このCDは96kHz 24-BITスーパー・デジタル・トランスファー方式によって2001年にリマスタリングされたフィリップス50グレート・レコーディングス・シリーズのひとつで、鮮明で磨きのかかった音質が蘇っている。

第1ヴァイオリンがパオロ・ボルチャーニ、第2がエリーザ・ペグレッフィ、ヴィオラ、ピエロ・ファルッリ、チェロ、フランコ・ロッシで彼らはカルテット黄金期のメンバーでもある。

英、仏、独語の15ページのライナー・ノーツ付。

ちなみにラヴェルに関しては1968年のライヴ盤がアウラ・ミュージックからリリースされている。

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classicalmusic at 21:25コメント(0)イタリアSQ | ドビュッシー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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