2020年02月07日

ベートーヴェン・イヤーに改めて聴く気負いの無い真摯な演奏と流麗な表現、奥行きの深いピアノ・トリオ


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この演奏は、1970年の生誕200年を記念して企画されたベートーヴェン全集の1枚として録音されたもの。

2曲とも三者の気負いの無い真摯な演奏と、この上なく流麗な表現が特徴的だ。

こうしたトリオでは個性の強い三人の演奏家がどこまで協調して音楽的理想に近づけるかということがアンサンブルの鍵になる。

ここでは絶頂期だったクラリネットのカール・ライスターも含めて、彼らが合わせる技量にも傑出していたことを見事に証明している。

ケンプのピアノが要になってトリオを完璧に支えている『大公』は、更にシェリングの知性とフルニエの高貴とが相俟って、絶妙な呼吸が醸し出す穏やかで清澄な響きに満たされた逸品だ。

また音楽的には明晰でありながら驚くほど幅広い表現力を披露していて、ベートーヴェンの哲学的な深遠さも汲み尽くした解釈は聴き逃せない。

このようなトリオは一流のソリストが集まっただけではたやすく実現できるものではない。

巨匠たちのまさに夢の共演だが、中でもシェリングの厳しくも美しいヴァイオリンに惹かれる。

2曲目の『街の歌』ではライスターのみが30代前半で3人の中では一番若手だが、正確無比な技巧に加えて誠実でむしろ控えめな表現が他の二人の奏者にも良く調和している。

通常クラリネットを伴っては滅多に取り上げられることがないだけに貴重な録音でもある。

尚ケンプ、シェリングそしてフルニエは1970年にこの曲集を6曲ほどグラモフォンに録音している。

残念ながら現在市販されているのはここに収められた『大公』と別の1枚にカップリングされた『幽霊』のみだ。

他の曲も気品に満ちた奥行きの深い演奏で全曲復活が望まれる。

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classicalmusic at 13:05コメント(0)ケンプ | シェリング 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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