2021年09月14日

コダーイとシュタルケルの歴史的邂逅、《無伴奏チェロ・ソナタ》、1970年訪日録音


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コダーイの《無伴奏チェロ・ソナタ》はシュタルケルの演奏によって世界中に知られ、シュタルケルの名はコダーイの《無伴奏チェロ・ソナタ》によって世界的になった。

したがって、コダーイの《無伴奏チェロ・ソナタ》はシュタルケルの演奏を抜きにしては語れないし、この両者を切り離して考えることはできない。

コダーイ自身からの薫陶を受け、同じマジャール人のスピリットを受け継いだ彼の伝説的な演奏は、同曲の世界初録音(1948年)と2度目の録音(1950年)が既にCD化されているが、このCDに収められたソナタは1970年に日本で録音されたもので、3種類の中では最良の音質だ。

シュタルケルは、熱い思いをほとばしらせつつ、ひたむきに作品に没入、一気呵成に弾き切り、強くて鋭いその勢いは、聴き手を圧倒しないではおかないし、ハンガリー出身だけに民族的な表現も申し分ない。

彼がコダーイの音楽の本質を捉えようとした、天才的な閃きと民族的スピリットを感じさせる凄まじい演奏だ。

旧盤との解釈の違いは見られず、また相変わらず冴え渡った技巧を聴かせてくれるが、嘗ての鮮烈で覇気に満ちた表現とは多少異なった、円熟期特有の余裕と細かなニュアンスに富んだ演奏が聴き所だろう。

しかも、踏み込み鋭く作品に迫った演奏には、要所要所をしっかりと抑えた強靭なコントロールがきいていて、確かな構成感をもっている。

すでにアメリカのオーケストラに定住していたシュタルケルにとって、民族色の強いこの作品の誠実な熱演は、そのまま自己確認作業となったのではないか。

剛毅な表現の内側には、シュタルケルその人の望郷の念が秘めてあったような気がする。

ここにはその他に、シュタルケル自身が手を入れたハンス・ボッタームントの《パガニーニのテーマによる無伴奏チェロの為のヴァリエーション》と更にコダーイの《ヴァイオリンとチェロの為のデュオ》作品7が収録されている。

パガニーニの方はヴァイオリン顔負けの超絶技巧が炸裂するアンコール用の小品で1976年日本録音、一方デュオはコダーイが民族音楽の精神を普遍化させたもう一つの例で、洗練された音楽性の中にも原初的なパワーを感じさせる秀演。

ヴァイオリンはクリーヴランド管弦楽団のコンサートマスターを務めたジョセフ・ギンゴールドで1973年インディアナ大学での録音で、音質は極めて良好。

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classicalmusic at 11:29コメント(0)シュタルケル  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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