2019年07月01日

ウィーン気質、ウラッハの衣鉢を継ぐプリンツ、肯定的な印象のUHQCD、モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲


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学生時代、東京の神田にあった行きつけのレコード店の主人の助言で買ったモーツァルトのクラリネット五重奏曲のCDは、レオポルト・ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のものだった。

いくらか大時代的な響きのする録音から聞こえてきた彼らのモーツァルトは、限りなくしっとりとしたレガート奏法による、天上の音楽のようだった。

後にアルフレート・プリンツとウィーン室内合奏団の演奏を聴き、あの時の記憶が蘇ってきて、彼がウラッハの高弟だったこともその時に知った。

プリンツのテクニックは師匠のそれよりモダンで精緻ではあるが、紛れも無くウラッハ流であり、脈々と受け継がれているウィーン奏者の伝統に深い感慨を覚えた。

彼の柔らかく、練り上げられた滑らかなクラリネットの音質は、決して押し付けがましいものでなく、モーツァルトのこの名作を飽くまでもウィーン風にこだわった演奏で満喫することができる。

2曲目のブラームスでもウィーン室内合奏団の演奏は、作曲者晩年の室内楽に漂う寂寥感やある種の諦観をないまぜにしながらも、あからさまに感情を吐露するのでなく、それをあくまでも洗練されたウィーン趣味に昇華させ、幽玄とも言える印象的な音楽作りで魅了する。

プリンツのクラリネットは弦楽と一体になって溶け合い、ある時は谷間から立ち昇る霧のように現れ、またある時は影のように消えていく。

UHQCD化された同録音の音質の変化については、先ず音量のボリューム自体が大きくなっているが、これはリマスタリングによる結果かもしれない。

このシリーズは先ず音源のリマスター処理から行われるようだ。

ただ音量の違いだけでなく、それぞれの楽器の音質が一層クリアーになっているのもはっきり聴き取ることができる。

その結果、演奏者が一歩前に出たような臨場感が得られ、ここでは特にプリンツのクラリネットとヘッツェルのヴァイオリンの音色がこれまでになく艶やかに再現されている。

1曲目のモーツァルトでは第2楽章のヴァイオリン・ソロによって繰り返される下降音形を聴き比べると旧盤より明らかに音質が潤っている。

また第3楽章のメヌエットのトリオ部分と終楽章でのクラリネット・ソロは、芯のある立体的な音像がイメージできる。

2曲目のブラームスについては廉価盤で若干感じられた曖昧模糊とした雰囲気が払拭されて、より明瞭で繊細な音質に変わった。

特にヴァイオリン・パートの鮮明さは旧盤では聴くことのできなかったものだ。

全体的にみて今回のUHQCD化には肯定的な印象を持つことができたというのが正直な感想だ。

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classicalmusic at 00:05コメント(0)モーツァルト | ブラームス 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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