2019年11月09日

カッチェン初出音源を含むふたつのセッションから


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ジュリアス・カッチェンが1962年及び64年に当時の西ベルリン・ランクヴィッツ・スタジオで録音した音源で、ここに収められた18曲のうち6曲はファースト・リリースとなっている。

ドイッチュラント・ラジオの放送用に制作されたオリジナル・テープ自体は経年劣化も殆んど感じられないが、今回のリマスタリングで極めて良好な音質が蘇っているのもセールス・ポイントだ。

ピアノの音色に輝きとまろやかさが再現され、ヒス・ノイズもごく僅かで無視できる程度に抑えられている。

またどこにも表示されていないが、一通り鑑賞した限りでは全曲ともかなり質の良いモノラル録音になる。

1969年に42歳で夭折したカッチェンの芸術を知る上でも、状態の良い初出音源がリリースされたことは高く評価したい。

彼の演奏にはダイナミクスの幅広さや切れ味の良いヴィルトゥオジティが理知的にコントロールされる部分と、それとは対照的なリベラルで突き進むような即興性を身上としている。

猛進するようなスリルと抑制された歌心が統合された斬新さと濃密なピアニズムが彼の演奏の魅力と言えるだろう。

また常に音楽を明晰に描き出すことを心掛けたピアニストだったために、ごくスタンダードな曲目でもフレッシュでオリジナリティーに富んだ解釈によって新たな価値を見出している。

リストのソナタは速めのテンポで、構想的というよりは即興的な趣があって、稀に見る集中力と名人芸によって凝縮されたリストの音楽を手の内に入れている。

当然だろうがブラームスの方がより思索的で、多様でロマンティックなドラマ性の表出に驚かされる。

またベートーヴェンの『銅貨を失くした憤慨』ではカッチェンの軽妙でコミカルな表現が作曲家のひねくれたユーモアをイメージさせて愉快な演奏だ。

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classicalmusic at 14:22コメント(0)カッチェン  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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