2021年05月03日

チャーログのトラヴェルソで聴くコレッリのソナタ集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ブルージュ国際古楽コンクールの覇者、ベネデク・チャーログが1998年に同郷のチェンバリスト、レオン・ベルベンと組んだセッションで、このCDにはアルカンジェロ・コレッリの作品5の6曲のソナタが収録されている。

勿論コレッリにはトラヴェルソ用に作曲された作品はなく、オリジナルはヴァイオリンと通奏低音のための12曲のソナタ集だが、この曲集の当時の評判は非常に高く、出版後まもなくしてリコーダーやその他の楽器のための編曲版が出回るようになったらしい。

この演奏で彼らが採用したのは、18世紀にフランスで横笛用にアレンジされた編曲者不明の楽譜で、1740年頃にパリのル・クレルク社から出版されたものだが、ここでは教会ソナタ様式で書かれた前半の6曲のみが演奏されている。

ちなみに後半の室内ソナタ5曲はバス・パートの付かない2本の横笛用に編曲されていて、『ラ・フォッリーア』の主題による変奏曲についてはル・クレルク版には含まれていなかったようだ。

演奏形態は通奏低音の弦楽器を省いたトラヴェルソとチェンバロのデュエットの形を取っているが、チャーログの玉を転がすようなトラヴェルソの音色や切れ味の良いテクニックと、ベルベンのシンプルだが気の利いた即興が活かされた優れたアンサンブルに仕上がっている。

クイケン門下のチャーログはピリオド奏法でも師譲りの模範的で平明なスタイルを示していて、技巧に凝り過ぎない潔さとストレートな表現に好感が持てる。

使用楽器はトラヴェルソがG.A.ロッテンブルグ1745年モデルで、つげ材の感触がソフトで滑らかな美しい音色と、技巧的な部分での特有の軽やかさがある。

チェンバロは1681年製イタリアのジュスティ・モデルで古雅な響きの中にも溌剌とした表現が可能な楽器だ。ピッチは現代より半音ほど低いa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

ハンガリー・フンガロトンからのリリースで音質は極めて良好。

チャーログ初期の無伴奏トラヴェルソ・アルバムやJ.Chr.バッハのソナタ集同様このCDも既に廃盤の憂き目に遭っているが、フンガロトンではフォーマットをMP3に移行させて販売を続けているようだ。

トラヴェルソで聴くことのできる数少ないコレッリのサンプルとして貴重な音源でもある。

ライナー・ノーツは19ページで曲目データ及び演奏者紹介が英、仏、独及びハンガリー語で掲載されている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 10:38コメント(0)コレッリ  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ