2019年08月24日

ピリオド楽器を器用に吹きこなすそつのなさ、アリソン・バルサム、バロック・トランペットでの凱旋


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英国の女流トランペッター、アリソン・バルサムがバロック・トランペットに挑戦したアルバム。

このCDではイギリス王室で活躍したパーセルとヘンデルの作品から抜粋し、トレヴァー・ピノックとバルサム自身によってアレンジされた編曲ものを多く含んでいる。

古楽器奏者ではない彼女がピノック指揮、イングリッシュ・コンサートのサポートでピリオド楽器を器用に吹きこなすそつのなさと、バロックの様式をわきまえた真摯で軽やかな演奏に好感が持てる。

トラック10及び16ではカウンター・テナーのレスティン・デイヴィーズと、また22ではソプラノのルーシー・クロウとの協演になる。

この3曲で彼女はオブリガート・トランペットのパートにまわっているが、両者の歌唱とも釣り合いの良くとれた理想的な効果を上げている。

それは当時のトランペットが英雄的な場面に留まらない、ゆるやかなカンタービレの助奏として抒情的なシーンにも違和感のない表現が可能だったことを示していて興味深い。

彼女がこのCDの録音に使ったバロック・トランペットは、古典派時代まで使用されていたバルブ機能を持たない、いわゆるナチュラル・トランペットに改良を加えたものだ。

基本的には今日のトランペットより遥かに長い管を巻いただけの単純な構造だが、倍音で得られるスケールを平均律的に矯正するために、ジャケットの写真に見られるように幾つかの補正孔が開けられている。

現代のトランペットほど輝かしくない代わりに、そのマイルドな音色はアンサンブルの1パートとしても他の楽器を抑圧することなく合わせることが可能だ。

バッハが『ブランデンブルク協奏曲』の第2番のソロ楽器としてブロックフレーテ、オーボエ、ヴァイオリンと共にトランペットを組み合わせたのも決して突飛な発想でなかったことは想像に難くない。

ライナー・ノーツは27ページほどで、曲目データの他に英、独、仏語による解説付。2012年の録音で音質は極めて良好。

尚ピッチはa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチで、この曲集の録音風景はワーナーを始めとする関連ショップ・サイトのビデオ・トレイラーの動画で見ることができる。

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classicalmusic at 12:52コメント(0)ヘンデル  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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