2020年02月16日

音楽史的にも興味深いJ.Chr.バッハのソナタ集


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大バッハの末っ子ヨハン・クリスティアン・バッハは、幼いモーツァルトに多大な影響を及ぼしたことで逆に顧みられるようになった音楽家だ。

当時はその単純明快なイタリア風の作風でロンドンの大衆に絶大な人気を博した作曲家だった。

彼の作品16は『旋律楽器による伴奏付のキーボードのための6曲ソナタ集』で、特に楽器の指定はされていないので演奏者の選択に委ねられるが、ここでは当時の音色を再現すべく、普段は滅多に聴くことがないピリオド楽器が使われているところに特徴がある。

この録音はハンガリーを代表する古楽器奏者ミクローシュ・シュパーニとベネデク・チャーログが1999年に行ったセッションで、タンジェント・ピアノとトラヴェルソという楽器編成では殆んど唯一の貴重なサンプルでもある。

モーツァルトにも同様のソナタが存在するように、こうしたソナタではヴァイオリンやフルートなどのメロディー楽器はあくまでも伴奏にまわり、鍵盤楽器に彩りを添える役割を果たしている。

全曲ともに簡易な2楽章形式で作曲されていて、もはやバロックの複雑さからは解き放たれた軽快なギャラント様式は、古典派志向を確実に予見していて興味深い。

演奏者シュパーニとチャーログはどちらもブダペスト出身で、ヨーロッパの古楽畑では既にベテラン奏者になる。

この2人はやはりヒストリカル楽器やそのコピーを使って大バッハのソナタ集や『夜の響き』と題されたCDを意欲的にリリースしている。

彼らのポリシーはそのピリオドの音響をできる限り忠実に再現するということに集約されるだろう。

それは現代人の耳に心地良いか否かに係わらず、当時の人々が実際に聴いていたであろう音楽を目指しているために、大らかで奥ゆかしい響きの中に意外な新鮮さが感じられるのも事実だ。

シュパーニが弾くタンジェント・ピアノは18世紀に流行した鍵盤楽器で、音色はどちらかと言えばチェンバロに近いが、タッチによって微妙なダイナミクスの表現も可能で、また音色を変化させるレジスターも付いている。

シュパーニは古楽器のコレクターとしても知られているが、彼がこの録音に使用したのはイタリアの製作家バルダッサーレ・パストーリ製のコピーで、一方トラヴェルソ奏者チャーログはベルギーの名工G.A.ロッテンブルグの1745年モデルを使用している。

ピッチは現代より半音低いa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチ採用。

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classicalmusic at 12:46コメント(0)バッハ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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