2019年06月04日

スプラフォン音源の隠れた名盤、パネンカ&スメタナSQの『鱒』


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LP時代から聴いていた懐かしさもあって、現在でも決して古めかしさを感じさせない名盤のひとつに数えられるだろう。

その理由はスメタナ四重奏団とピアニストのヤン・パネンカが極めて正攻法な音楽語法でシューベルトのメッセージを伝えている演奏だからで、そこに特有の形式感と気品が備わっている。

スメタナ四重奏団は後にヨゼフ・ハーラと組んでシューベルトのピアノ五重奏曲『鱒』の2度目のセッション録音を遺しているが、こちらの第1回目は彼らの壮年期特有の覇気のある推進力にパネンカの端正で瑞々しいピアノが相俟った演奏だ。

このセッションでは第4楽章ヴァリエーションでの谷川のせせらぎに反射してきらめく太陽の光りを映し出したようなパネンカの弾くピアノの爽やかな響きが一層魅力的だ。

彼はスーク・トリオの一員としてスプラフォンに多くの録音を遺しているが、その潔癖とも言える隙のないダイナミズムと徹底したクリアーな奏法は、常にモダンな印象を与えるだけでなく、アンサンブルを心地良く引き締めている。

しかも気心の知れたスメタナ四重奏団との巧みな合わせ技がシューベルトの溌剌とした曲想を心行くまで愉しませてくれる。

尚ここでは楽器編成上、抜けた第2ヴァイオリンのコステツキの替わりにコントラバスのフランチシェク・ポシュタが加わっている。

この音源は数年前に単独でXRCD化されたが、残念ながら既に製造中止になっている。

一方シューベルトの『断章』については過去4回の録音の中から1960年の第2回目のセッションが、そしてベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番は62年の第1回目のものがカップリングされている。

この頃彼らはメンバー不動の時代に入っていて、着々とそのアンサンブルの腕を磨いていた壮年期特有の表現を聴くことができる。

それだけに後のデジタル録音のものより熱っぽく、一途で若々しい雰囲気に貫かれているが、解釈は円熟期の原点にもなる奇を衒わない謹厳さのようなものがあって、その真摯な演奏に惹かれる。

LPで聴く弦楽器は透明感という点でCDを上回り、音質は良好だ。

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classicalmusic at 00:14コメント(0)シューベルト | スメタナSQ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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