2021年01月08日

スークによるモーツァルト初期のヴァイオリン・ソナタ集


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ヨゼフ・スークとズザナ・ルージイッチコヴァがモーツァルトの7曲のヴァイオリン・ソナタをチェコ・スプラフォンに録音したもので、このうちK.11及びK.13の2曲には更にペトロ・ヘイニーのヴィオラ・ダ・ガンバが加わった、バロックから初期古典派時代の楽器編成を採用している。

スークの磨き抜かれた艶やかなヴァイオリンの音色と、ルージイッチコヴァの典雅なチェンバロが息のあったアンサンブルを聴かせる宮廷風室内楽の魅力に溢れる1枚だ。

どちらかというとバロック時代の名残を残した音響だが、演奏にくどさが感じられず、流麗で颯爽とした曲趣が再現されているのも特徴的だ。

彼らは既にバッハやヘンデルのソナタ集でも協演しているコンビなので相性の良さでは定評があるが、このモーツァルトに関しては前者に比べるとそれほど知られていないようだ。

音質は鮮明で極めて良好。

ルージイッチコヴァが弾いているのはモダン・チェンバロだが、響きに人工的な煩わしさが少ない改良型を使用していて、ヒストリカル楽器ほどではないにしてもレジスターの操作でデリケートな曲趣も表出できる機能を備えている。

彼女の演奏を初めて聴いたのはバッハの『ブランデンブルク協奏曲第5番』や『ゴールドベルク変奏曲』のLPで、その華麗な奏法は驚くほど新鮮な印象を与えてくれた。

その後彼女がバロック音楽だけでなく、夫君の作曲家ヴィクトル・カラビスの作品を始めとする現代物にも積極的に取り組んでいることを知った。

しかし古楽を研究した人だけあって、ここでの装飾音やフレージングは確信に満ちたものがある。

このCDは1990年に録音されたモーツァルトのごく初期のヴァイオリン・ソナタ集で、いずれも彼が少年時代に演奏旅行したパリやロンドンでの音楽的な収穫として生み出されたものだ。

神童モーツァルトが弱冠10歳そこそこで作曲した作品だが、その豊かな音楽性と作曲技法は既に並外れた才能を示している。

こうした一連の作品はヴァイオリン、あるいはフルート助奏付のピアノ・ソナタという当時流行した過渡的な楽器編成のスタイルをとっていて、時には低音弦楽器をアドリブに加えることも可能だった。

それらは古典的なヴァイオリン・ソナタやピアノ・トリオの萌芽としても興味深い。

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classicalmusic at 14:02コメント(0)モーツァルト | スーク 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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