2019年06月04日
ノイマン、チェコ・フィルによるチェコ・クラシック名曲集
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チェコを代表する作曲家の作品から抜粋したオムニバス編集で、入門者に親しみやすい選曲になっている。
個人的にはいわゆる名曲アルバムのたぐいは滅多に買うことがない。
何故ならそれらのCDはたいがい聴き古されたスタンダード・ナンバーを演奏者も録音年代も異なるカップリングで寄せ集めた甘口の編集で、統一性に欠けているだけでなく、また長く付き合っていくだけのポリシーも感じられないからだ。
しかしこのチェコの作曲家による小品集は全くそれとは別物で、全曲ヴァーツラフ・ノイマン指揮、チェコ・フィルハーモニーによる1983年のプラハでのセッションだ。
珠玉の名曲集と言っても筆者自身初めて聴く作品が多く、それがまたこのCDの魅力のひとつでもあるが、彼らの力量を示した、お国物の頼もしい演奏が堪能できる1枚として高く評価したい。
知名度の高いスメタナの『売られた花嫁』序曲は堰を切って溢れ出す湧き水のような勢いと、チェコ・フィルらしい明るく瑞々しい弦楽器に合わせる、軽妙なブラス・パートのアンサンブルが聴き所だ。
抒情的な作品としてはドヴォルザークの『ユモレスク』やネドバルの『悲しみのワルツ』、フィビフの『ポエム』などが選ばれている。
こうした比較的軽い曲種でもノイマンの指揮はさすがに巧い。
それは聴き手に媚びることなく、シンプルな表現の中に、甘い爽やかさを残しているからだろう。
音質的に欲を言えば、もう少し奥行きのある音像が欲しいところだが、リマスタリングによって特に高音の鮮やかさが蘇っている。
スプラフォンの録音技術は定評のある優秀なものだが、ここでも鮮明な音質がそれを証明している。
廉価盤だが、5ページほどの簡易なライナー・ノーツには英、独、仏、チェコ語の解説が掲載されている。
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