2019年11月10日

フラグスタート、晩年の輝き


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キルステン・フラグスタートが彼女のキャリアの終焉にデッカに録音した音源を10枚のCDにまとめたもので、世紀のワーグナー・ソプラノの晩年の演奏を知る上では貴重なセットだ。

確かに彼女は当時まだ強靭な美声を維持していたし、歌い崩すこともなく、その年齢の割には真摯な歌唱だが、さすがに声とテクニックの衰えは否めない。

長年に亘って声帯を酷使するワーグナーをレパートリーにしていた歌手としては驚異的な歌手生命を保っていたことは事実だが、彼女が58歳で引退を決意した理由は、自分の声の老化を彼女自身が一番良く知っていたからに違いない。

ちなみにこのセットの録音は、彼女が公式の舞台から引退した1956年から翌57年にかけて行われている。

もしフラグスタートの全盛期の芸術を堪能したいのであれば、ニンバス・レーベルのプリマ・ヴォーチェ・シリーズの鑑賞をお薦めする。

勿論このCDの中ではクナッパーツブッシュ指揮、ウィーン・フィルとの『ヴェーゼンドンクの歌』やワーグナーの楽劇の中からのアリア集、あるいは故郷のノルーウェイ歌曲集などでその至芸を窺い知ることができる。

フラグスタートのファンであれば重要なコレクションに成り得るだろうし、また近年器用だが小粒な歌手が多い中で、彼女のようなスケールの大きい声楽家は稀で、ワーグナーの楽劇マニアであれば聴いて損のない優れた演奏だ。

この10枚に収められた曲目は既にオーストラリア・エロクエンス・レーベルから単独でリリースされていたものをセット化したリイシュー盤で、初出の音源は含まれていないが、ほぼ半分ほどがステレオ録音で音質も良好だ。

ミドル・プライスの廉価盤ではあるが、価格的にもう少し低く抑えることができたと思う。

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classicalmusic at 12:07コメント(0)ワーグナー | クナッパーツブッシュ 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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