2019年12月18日

空白を埋めるフェリアーのEMI音源のリリース


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キャスリーン・フェリアーのデッカへの全録音が彼女の生誕100周年を記念して刊行されたばかりだが、ユニバーサルとの音楽市場の争奪戦が熾烈を極めるライバルのワーナーからはすかさず3枚組の全集がリリースされた。

それはフェリアがEMIと契約した短期間に行ったセッション及びライヴで特に新しいレパートリーではないが、ファンには聴き逃せない音源だろう。

枚数も少なく古い録音にも拘らず音質にも比較的恵まれているのが特徴だ。

尚ライナー・ノーツは英語のみで15ページ。

セッションでは1949年のワルター、ウィーン・フィルの『亡き子を偲ぶ歌』が白眉だ。

そしてこれと全く同時期に同じ演奏者によって別途に録音されたこの曲の第1及び第5楽章がCD3枚目にボーナス・トラックとして収められている。

この演奏は12インチ・ワックス盤用のバック・アップ・テープから起こした初出の音源で、このセットのセールス・ポイントにもなっている。

ちなみにデッカへの同曲は1951年のクレンペラー、コンセルトヘボウのライヴが全集に組み込まれたが、演奏を比較するとワルター盤がロマン派爛熟期のリリシズムを余すところなく表現しているのに対して、クレンペラーのそれはよりドラマティックな心理描写を試みている。

音質では古いワルター盤が優れているし、ボーナス・トラックの2曲も意外と質の良い録音だ。

また1950年のカラヤン、シュヴァルツコップ、ウィーン交響楽団との協演になるバッハの『ロ短調ミサ』は、4曲のみしか残されていないようだが貴重なリハーサルを収録したものだ。

それに対してデッカはサー・エイドリアン・ボールト指揮、ロンドン・フィルとの全曲セッションで、2年後の52年のものを入れている。

一方オペラではフェリア唯一のレパートリーだったグルックの『オルフェオとエウリディーチェ』をこちらEMIでは1951年のアムステルダム・ライヴ全曲をCD2枚めと3枚めに分けて入れているが、デッカの方は1947年のカット版で音質も劣っている。

いずれにしてもこれでデッカ盤では抜け落ちていた、更に幾つかの貴重な録音がその空白を埋めることになる。

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classicalmusic at 06:12コメント(0)フェリアー  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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