2019年06月14日
ソニーかユニバーサルか、ふたつのドビュッシー作品集
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ドビュッシー生誕150周年を記念して既に複数のメーカーからセット物の作品集が相次いでリリースされたが、いわゆる全集物では、現時点ではソニーとユニバーサルのボックス・セットが双璧になっている。
双方とも18枚のCDから構成されていて、ドビュッシーの総てのジャンルからの作品を過不足なく収めている。
また当然ながら水準の高い演奏ばかりがセレクトされているので、後はどちらを選ぶかは鑑賞する人の好みにかかっている。
ジャンル別の振り分けを見るとユニバーサルでは歌曲にCD4枚を当てているのに対して、ソニーは2枚半で、その代わりに編曲ものを数枚取り入れている。
このセットでのランパルによる無伴奏フルートのための『シランクス』やホロヴィッツの精緻な『喜びの島』などは、それだけで千金の値打ちがあるものだ。
筆者が購入したのはこのソニー盤で、その理由は演奏者の選択に気を利かせた工夫がみられることで、勿論これは偶然の結果とは言えないだろうが、ユニバーサルではフランス系のアーティストの起用が少ないのも事実だ。
更にこちらの方がユニバーサル盤に比較してはるかに低価格であることも決め手になった。
既にナクソス盤のオーケストラル・ワーク全集を買った後だったので筆者にとっては好都合だった。
確かにユニバーサルの選んだアーティストの演奏についても興味深いし、またボックスの装丁に洒落っ気があってコレクションとしては魅力的だが、総合的に判断しての結果ということになる。
一方上記2社の宿敵ワーナーはクリュイタンスの『ペレアス』をはじめとしてマルティノンによる一連のオーケストラル・ワーク集、ギーゼキング、フランソワ、チッコリーニのピアノ曲集など、彼らに対抗できる優れた音源を持っているが、今のところこの類いの全集は見当たらない。
ただワーナーは膨大なジャンル別、あるいはアーティスト別の全集を既にリリースしているので、まとまった全集企画が実現する可能性は少ないだろう。
ボックスのサイズは13X13X5cm、ライナー・ノーツは英、独、仏語で31ページ、ただし歌詞対訳等は省略されている。
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