2020年04月26日

愛すべきバリトン、ヘルマン・プライのドイツ歌曲集


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ドイツの名バリトン、ヘルマン・プライ(1929-98)が歌ったフーゴー・ヴォルフのメーリケの詩による14曲及びプフィッツナーのアイヒェンドルフによる5曲op.9と、更にボーナス・トラックとして14曲のR.シュトラウスの歌曲を収録した復刻盤で、伴奏は総てジェラルド・ムーアになる。

いずれもプライが30代前半にロンドンで録音したもので、前半が1965年、後半のR.シュトラウスが63年のLP2枚分のセッションをまとめたものだ。

プライの如何にも若々しい張りのあるバリトンの歌声が魅力で、その意味では言霊の抑揚に人間の心理の機微を嬉々として捉えたヴォルフの音楽よりも、かえって解放的な感情を吐露したリリカルなシュトラウスの方に彼の能力がより発揮されているように思う。

彼は4歳年上でしかも同じベルリン出身のバリトン、フィッシャー=ディースカウと常に比較された。

フィッシャー=ディースカウの勤勉で精緻な歌唱力の前にプライは「怠けテノール」や「万年青年」のニックネームで親しまれた庶民的な側面を持った歌手だった。

レパートリーも被っていたとは言え、プライのレパートリーの中心はシューベルトなどのドイツ歌曲であり、その表現もフィッシャー=ディースカウに比べ柔軟で流麗なものだ。

筆者自身彼の不調の時のコンサートを聴いてその音程の悪さに不安にさせられたこともあった。

実際には前者とは全く異なった声質とキャラクターを持っていて、一概にプライを劣った存在と見做すことはできない。

このCDに収められた歌曲集では、率直で一途な表現と美声がジェラルド・ムーア円熟期の至芸によってサポートされているのも幸いだ。

リマスタリングの効果もあって音質は極めて良好。

尚このデッカ・モスト・ワンテッド・シリーズでは曲目一覧と録音データが掲載されたパンフレットのみが付いていて、歌詞対訳等は一切省略されている。

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classicalmusic at 12:20コメント(0)R・シュトラウス  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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