2019年10月24日

バルサムの新譜、ファミリー向けクリスマス・バロック・アルバム


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英国の女流トランペッター、アリソン・バルサムはバルブ機能のないナチュラル・トランペットの奏法をマスターして、2012年に彼女としては最初のピリオド楽器によるバロック作品集をトレヴァー・ピノックと制作している。

今回はパヴロ・べズノシューク率いるアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックとオルガニスト、スティーヴン・クレオバリーのサポートでナチュラル、モダンの2種類の楽器を巧みに使い分けた演奏を披露している。

尚トラック11のバッハのカンタータ『主よ、人の望みの喜びよ』のコラールではケンブリッジ・キングスカレッジ合唱団とオルガンのトム・エザリッジがゲスト出演して、このアルバムに花を添えている。

2015年から2016年にかけて録音された新譜で、バルサムの軽快なトランペットやオルガンの分厚い中低音を忠実に再現した音質は極めて良好。

アルバムのタイトルはラテン語のユービロ(歓喜を叫ぶ)から取ったものだろう。

全体的な印象ではクリスマス向けの家族で気軽に楽しめる娯楽的な側面が強いが、一流どころのピリオド・アンサンブルによる本格的な演奏集というのがセールス・ポイントだろう。

彼女のソフトでふくよかなトランペットの音色が活かされた音楽性豊かな表現と鮮やかなテクニックを堪能できるのが魅力だ。

ただアレンジ物ではコレッリの『クリスマス協奏曲』からのサイモン・ライトのトランペット用編曲版が全曲入っているが、果たしてこの曲がトランペット・ソロ用に最適かというと首を傾げざるを得ない。

確かにクリスマスには相応しい作品には違いないが、合奏協奏曲でひとつの声部をソロ楽器で強調すれば、全体的な対位法としての響きのバランスが崩れてしまうのは明らかだ。

それよりオリジナルのバロック・トランペット協奏曲を入れて欲しかったというのが正直な感想だ。

トランペットの輝かしく英雄的な演奏効果はこれまでに多くの作曲家によって、例外なくそうした表現のために用いられてきた。

バルサムはその洗練されたテクニックと歌心に溢れた柔軟な感性で、バロック時代のトランペットが私達が考えているほど甲高く野放図な音を出す楽器ではなかったことを証明して、従来のトランペットのイメージを少なからず再認識させてくれる。

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classicalmusic at 12:40コメント(0)コレッリ | バッハ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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