2019年06月19日

『プラハの春』、歴史的映像ライヴ


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カレル・アンチェル生誕100年記念としてチェコ・スプラフォンからリリースされた歴史的映像ライヴ。

画像や音質の面からすれば今一歩といったところだが、このDVDには音楽的な、そして更には思想的な付加価値がある。

ラファエル・クーベリックの亡命後、チェコ・フィルはアンチェルによって世界的にも屈指のオーケストラに鍛え上げられた。

1968年5月12日に彼の指揮によるスメタナの交響詩『我が祖国』で幕を開けたプラハの春音楽祭は、その直後に起きたソ連の軍事介入に伴い、アンチェルの亡命という結果をもたらした。

このDVDは三部分で構成されている。

第一部では69年にプラハ・テレビが制作したドキュメンタリー、『カレル・アンチェルって誰?』で、ユダヤ系であった為にアウシュビッツに収容され、家族の中ではただ1人生還したという彼の奇跡的な経歴と、残されたチェコ・フィルとのリハーサルの録画や貴重なインタビューが約30分間収録されている。

第二部は68年、チェコに内政改革の気運が高まっていた、『プラハの春』の年の音楽祭のオープニングを飾ったスメタナの『我が祖国』で、ソ連との陰鬱な政治的背景の中で、いやがうえにも盛り上がるチェコの愛国主義を讃えた演奏が感動的だ。

勿論彼の指揮は民族主義を強調したものではなく、音楽のより普遍的な美しさを引き出しているが、誠実で気骨を感じさせる力強さが聴き所だろう。

またチェコ・フィルもまさに彼らの強みを発揮した名演と言える。

最後は66年の音楽祭に迎えられたヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングとの協演によるベートーヴェンの協奏曲で、シェリングのライヴにしばしば聴かれる気迫のこもった、どこまでも緊張感を貫く透明感のある音色が冴え渡った演奏が秀逸。

総てモノクロ映像でモノラル録音。

字幕は英、独、仏の三ヶ国語でリージョン・フリー。

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classicalmusic at 07:18コメント(0)スメタナ | アンチェル 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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