2020年02月18日
ペーター・ダムによる前古典派のホルン協奏曲集
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前古典派のホルン協奏曲集と題されたこのアルバムは、実際にはバロックから古典派初期に作曲された作品が5曲収録されている。
ホルンはバッハもブランデンブルク協奏曲第1番で大活躍させているように、金管楽器の中でも早くからソロ楽器として重要な役割を果たしてきただけあって、その作品の数も多い。
ここではペーター・ダムの器用さと柔軟な奏法が発揮された生き生きとした表現が聴きどころだ。
1984年のエテルナ音源でベルリン・クラシックス・レーベルからリリースされたものだが、99年にディジタル・リマスタリングされ音質は極めて良好。
ダムは長期間に亘ってシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルニストだったことは周知の通りだが、オーケストラの一員としての活動の他にもバロックから現代に至る幅広いソロ作品のレパートリーをものしていて、幸いそれぞれの時代の作品をほぼまんべんなく録音している。
シカゴ響の首席でホルンの神様とも言われたデイル・クレヴェンジャーよりもむしろ多くのCDをリリースしている事実は旧東ドイツの器楽奏者としては例外的な活動と言えなくもない。
ただ当時の東独は外貨獲得のために西側でのコンサートやレコード売り込みのために優秀なアーティストを積極的に使ったという事情もあっただろう。
このことに関してはDVDの『クラシック音楽と冷戦』に詳しいのでそちらに譲ることにする。
ダムはこの協奏曲集でホルン、ディスカント・ホルン、ポスト・ホルン及び狩のホルンの少なくとも4種類を吹く八面六臂の活躍だ。
特に最後のベーアの作品ではポスト・ホルンと狩のホルンを持ち替えで演奏していて、ポスト・ホルンのオクターヴのたったふたつだけの音を使ったユーモラスな曲想が実に快活な雰囲気を醸し出している。
バロック音楽に造詣の深いハルトムート・ヘンヒェン指揮、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ室内管弦楽団との演奏で、彼らはベルリン国立歌劇場管弦楽団のメンバーによって構成されている。
尚2曲目のヴァルト・ホルン(森のホルン)は通常のホルンで代用しているようだ。
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