2020年10月13日

オリジナル楽器の美しい響きを引き出したフレキシブルなショルンスハイムの平均律


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クリスティーネ・ショルンスハイムの楽器の響きに対する感性をバッハの平均律に最大限活かした秀演。

彼女の音楽学者としての学理的な研究はともかくとして、いや実際良い意味でおよそ学者らしくない演奏なのだが、何よりも先ず響きとして美しい平均律だ。

彼女はレジスターを巧みに替えてさまざまな音響効果の可能性を試みて、この長大な曲集に華やかな彩りを添えている。

また和音をアルペッジョにしたり、テンポを若干揺らして遊び心も感じられるフレキシブルな表現が随所に聴かれる。

しかしそれは弾き崩しやレジスターの乱用ではなく、あくまでもバロックの様式に則った再現と言えるだろう。

むしろ対位法の究極の姿という、しかつめらしい作曲技法を最後まで退屈させることなく、心地良く聴かせてくれる演奏だ。

既に彼女はハイドンのピアノ・ソナタ全曲集でも明らかにしているように、使用楽器の選択には細心の注意を払っている。

それは当時の作曲家がイメージした音の再現に他ならないが、今回この録音のために使われたチェンバロはヨハネス(ヤン)・ルッカースが1624年に製作した二段鍵盤を持つオリジナル楽器で、現在ではフランス、コルマール市のウンターリンデン博物館所蔵になる。

このセットのジャケットの内側とCDにも写真が印刷されているので参考にされたい。

ライナー・ノーツにはこのチェンバロを修復したクリストファー・クラーク氏のコメントも掲載されている。

それによるとこの楽器は過去数回手が加えられているが、ルッカース特有の暗めで気品があり、立ち上がりの良い響きは健在でバッハの対位法作品の演奏には非常に適している。

尚ピッチはa'=392。

演奏内容、録音状態から言っても破格の値段で、初めてバッハの平均律を聴いてみたい方のファースト・チョイスとしてもお勧めしたい。

録音は2010年及び2011年。

4枚のCDが内側のみプラスティックの折りたたみ式のジャケットに収納されていて綴じ込みの英、独語ライナー・ノーツ付。

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classicalmusic at 12:47コメント(0)バッハ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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