2019年11月01日

高音質で甦るスペクタクルなサウンド、カラヤン&ベルリン・フィルの『第9』1962年盤


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カラヤンはベートーヴェンの交響曲全曲録音を都合4回行ったが、この『第9』はその2回目にあたる1962年のもので、ドイツ・グラモフォンへのベルリン・フィルとの初録音でもある。

またこの音源は後にOIBPリマスタリングされ、グラモフォンが1997年に刊行した全20巻、合計87枚に及ぶベートーヴェン全集の第1巻に組み込まれた。

同社が持っていた新録音ではなく、この演奏を選んだ理由は演奏の質の高さだけでなく、よい意味でのスタンダード性からだろう。

ベルリン・フィルの芸術監督に就任して7年が過ぎ、フルトヴェングラーのオーケストラからカラヤンが自らの手中に収めつつある時期に、ベルリン・フィルにとっても最も重要なレパートリーであるベートーヴェンで自らの力と新生ベルリン・フィルを世に問うたもの。

この頃には既にカラヤンのスペクタクルなサウンド・スタイルは確立されていて、ここでもベルリン・フィルの実力を縦横に発揮させた濃厚なオーケストレーションが特徴的だ。

その表現は後の2度の録音より鮮烈で、彼のベートーヴェンの音楽に対する創造的な気概に満ちている。

管弦楽とコーラスの音のバランスも非常に均整が取れていて、彼のサウンドづくりに懸ける執念のようなものが伝わってくる。

トスカニーニの影響が強いなどと言われたこともあるが、今聴くとそこにあるのはやはりカラヤンの個性である。

しかもトスカニーニの亜流的な演奏とは画然と異なり、主観と客観が見事にバランスした演奏の清新な表現は今も説得力を失わない。

溌剌とした覇気とカラヤン特有の演出の妙が絶妙のバランスを保っていて、テンポにたるみがなく、表情は率直でむらがない。

高度なアンサンブルが要求されるソリスト陣の中ではヴァルター・ベリーの力強さ、ヤノヴィッツの清冽な歌いぶりが優れているが、とりわけ終盤の四重唱は絶品。

カップリングされた『コリオラン序曲』は1965年の録音で、華麗であり、要所を巧みに押さえた表現だが、カラヤンがこうした曲の演奏効果を知り尽くしていることは言うまでもない。

音質はこの時代のものとしては極めて良好で、今回のルビジウム・カッティングによって得られたオーケストラの練り上げられた音色が、かえってアナログ録音の特質を良く捉えているようだ。

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classicalmusic at 13:12コメント(0)ベートーヴェン | カラヤン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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