2019年09月25日

ストラテジックなコンサート・ピース、ホロヴィッツ十八番のスカルラッティ


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ホロヴィッツは、ライバルのルービンシュタインが新即物主義的な演奏にスタイルを変えた後も、生涯ヴィルトゥオーソであり続けたピアニストだった。

それだけに彼はまた自己のパフォーマンスに聴衆を惹きつける術を知っていた老獪なテクニシャンでもあった。

ここに収められたドメニコ・スカルラッティのソナタ集は、そうした彼のストラテジックなコンサートには欠かすことのできない小品だ。

ホロヴィッツ全盛期のコンサート・メニューとしては、言ってみればメイン・ディッシュにはなり得なかったきわもの的な曲種だが、とびっきり気の利いた食前酒か前菜のようなもので、しかも敢然と自分の畑に持ち込んで料理された彼の音楽は、すぐさま聴き手の注意を一気に集めてしまう魅力を持っている。

1曲1曲が簡潔なだけに、彼特有の明快で驚くほど幅広いディナーミクと、シャープに彫琢された曲想の小気味良さが凝縮されていて、ホロヴィッツの至芸を知る為にも格好のアルバムになるだろう。

録音は後半の6曲を除いてすべて1964年で、彼が不死鳥のように楽壇に復帰する前年に行われている。

この時期彼は10年以上に亘って休止していたコンサート活動に戻ることを決心して、密かに準備していたに違いない。

既に再発を繰り返している古い音源だが、DSDリマスタリングされてからは音質がかなり鮮明になり、適度な臨場感も得られている。

この時代の録音としてはヒス音が煩わしくないのも特徴的だ。

曲目については以下の通り。

ソナタニ短調K.33,K.イ短調K.54,ヘ長調K.525,ヘ短調K.466,ト長調K.146,ニ長調K.96,ホ長調K.162,変ホ長調K.474,ホ短調K.198,ニ長調K.491,ヘ短調K.481,イ長調K.39,ト長調K.547,ロ短調K.197,嬰へ単調K.25,ニ短調K.52,ト長調K.201,ハ短調K.303

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classicalmusic at 12:10コメント(0)スカルラッティ | ホロヴィッツ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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