2020年09月02日

シルキー・タッチのモーツァルト、ダヴィッド・フレー5枚目のアルバム 


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ダヴィッド・フレー5枚目のアルバムで、今回はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482及び第25番ハ長調K.503の2曲をオランダ人の指揮者ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンとフィルハーモニア管弦楽団の協演で収録している。

尚曲中で使用しているカデンツァは、前者がエドウィン・フィッシャー、後者がフリードリッヒ・グルダの手になる。

ホールの音響空間を生かしたソロとオーケストラの釣り合いのとれたシンプルな録音状態も良好。

フレーと同世代の若手のピアニスト、マーティン・シュタットフェルトの演奏と聴き比べるとそのスタイルの違いが興味深い。

双方とも現在までにドイツ系の作曲家の作品をリリースしていて、勿論シュタットフェルトにとっては自国の音楽なので尤もなことだが、フレーは目下フランスの音楽には目もくれず、果敢にもドイツ圏の作品のみを録音し続けている。

シュタットフェルトも既にモーツァルトのピアノ協奏曲第20番と24番をリリースしているが、彼の場合曖昧さを残さない理路整然とした、古典派としての作曲家の位置づけを明確にしている。

一方フレーはいくらか耽美的になる傾向を持っているので、モーツァルトの様式感や形式美を感知させるという点ではシュタットフェルトに一歩譲るとしても、あくまでもデリケートなシルキー・タッチで仕上げた流麗で品の良い表現は、モーツァルトの音楽自体が持つ限りない美しさと幻想を巧みに引き出している。

元来モーツァルトの音楽のスタイルはインターナショナルな性格を持っているので、そうした意味では彼らのように全く異なる解釈があっても当然のことだろう。

フレーは自己のフランス的な感性を、一見対立するようにみえるドイツの音楽に最大限活かすことに挑戦して、異なった音楽上の趣味の融合を試みている。

指揮者ヴァン・ズヴェーデンも完全に彼に肩入れして、調和のとれたきめ細かい指示でサポートしているところに好感が持てる。

いずれはメンデルスゾーンやブラームスも聴いてみたい、将来が楽しみなピアニストの一人だ。

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classicalmusic at 11:13コメント(0)モーツァルト  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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