2020年08月24日

全盛期のディ・ステファノ、デッカへのステレオ録音集


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1950年代にイタリア・オペラ界の人気を二分したテノールが、マリオ・デル・モナコとジュゼッペ・ディ・ステファノだった。

声質が全く異なっていた2人は、録音された曲目は別として、実際のオペラの舞台で重なるレパートリーは『カルメン』のドン・ホセ役くらいで、ライバルというよりは良き友人だった。

特にディ・ステファノの底抜けに明るく開放的な歌声は典型的なイタリアの声としてオペラ以外の多くのカンツォーネでも、デル・モナコが使わなかったメッツァ・ヴォーチェを駆使した甘美な歌唱でその本領を発揮している。

彼の高音は劇場内を一直線に突き抜けるような迫力を持っていたが、一方で若い頃からレストランやショーなどで歌ってきた根っからのエンターテイナーであった彼の舞台は、客席に気さくに話しかけたりする和やかで打ち解けた雰囲気だったことが思い出される。

CD1には彼の故郷シチリアの民謡が6曲収められている。

それらはシチリア島の大自然、海や寒村、そして村人達の素朴な踊りタランテッラなどが目に浮かぶような熱唱が秀逸だ。

CD2はナポリ民謡集で、イタリア人であってもナポリ方言特有の発音や独特のニュアンスを表現することは難しく、一流どころのオペラ歌手でも興醒めになってしまうことが多い中で、彼は南部出身の歌い手らしく、巧みな発音と表現力でこうした曲目も完全に手中に収めている。

CD3は11曲のオペラ・アリア集になるが、やはり聴き所は当たり役の『トスカ』のカヴァラドッシや『カルメン』のドン・ホセのアリアだろう。

またフランスものを得意とした彼らしく、ここには『ウェルテル』、『マノン』、『カルメン』、『ファウスト』、『真珠とり』からそれぞれ1曲づつが選ばれている。

『ファウスト』からの「清らかな住まい」の最後のハイCは、このタイトル・ロールのアリアとしては余りに英雄的で立派過ぎるかも知れない。

CD4−5はドニゼッティの『愛の妙薬』全曲で、フランチェスコ・モリナーリ・プラデッリ指揮、フィレンツェ五月祭管弦楽団との協演になる1956年の歴としたステレオ録音。

アディーナ役はヒルデ・ギューデン、脇役は芸達者のレナート・カペッキやフェルナンド・コレナが固めていて、実に軽妙なオペラに仕上がっている。

ディ・ステファノは、マリア・カラスと組んで多くのオぺラ全曲盤を遺しているが、その殆んどがEMIへのモノラル録音で、音質的にも最良のものとは言えない。

しかしこの『愛妙』はデッカに入れた唯一の全曲録音で、音質にも優れ全盛期の彼のコミカルな一面を堪能できる。

尚レチタティーヴォ・セッコの部分はピアノ伴奏。

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classicalmusic at 12:03コメント(0)プッチーニ | ビゼー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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