2019年07月18日

華麗なる『展覧会の絵』、ムーティ&フィラデルフィア管の彫りの深いサウンド


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『展覧会の絵』でムーティがフィラデルフィア管弦楽団から引き出す音色は色彩に富んでいるうえにテンポの設定も軽快だ。

ちなみにシノーポリ、ニューヨーク・フィルの演奏時間が36分30秒であるのに対してムーティはほぼ33分で、それぞれの曲の間に殆んど間隔を置かないのも特徴的だ。

彼の解釈には屈託がなく開放感に満ちていて、気前良くオーケストラを鳴り響かせた絢爛たる音の絵画館を披露している。

確かにムソルグスキーの精神性を意識した表現とは言えないが、この曲は殆んどラヴェルのオーケストレーションを聴く為の曲と言ってもいいほど洗練された華麗な音楽に仕上がっていることを思えばこうした演奏も可能だろう。

何よりもフィラデルフィアの持ち味を活かしきっていて、聴いた後に独特の爽快感を残してくれる。

彼は濃淡をつけ彫りの深いサウンドで勝負していて、美しき清き部分と暗く幻惑的な部分がクリアに交錯する。

『カタコンベ』や『死せる言葉による死者への呼びかけ』などでは、まがまがしさ、おどろおどしさのスパイスも程よく効かせている。

一方、線条的なスピード感は基本におきながらも、これは曲によって大胆に可変的、局所局所で炸裂するようなサウンドの迫力も抜群で、その爆発力は圧倒的である。

だからといって決して大味で軽薄な音楽作りではなく、例えば『古城』で聴かせるシルキーなカンタービレの美しさや『牛車』での、軋みながら通り過ぎる荷車の映像的な描写、そして超スペクタクルな『ババヤーガの小屋』と終曲『キエフの大門』にはムーティとフィラデルフィアの面目躍如たるものがある。

尚もう1曲の『禿山の一夜』も速めのテンポで統率した軽快な演奏で、しかもこの曲でもオーケストラの色調は明るく、不気味な雰囲気よりもむしろカラフルでアニメーション的なファンタジーの世界が展開されている。

こちらもムソルグスキー特有のロシア風土の薫りは希薄だが、ムーティのインターナショナルな演出の傑出した例だろう。

廉価盤だが、音質の良さも特筆される。

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classicalmusic at 09:17コメント(0)ムソルグスキー | ムーティ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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