2020年02月21日
ソロ以外のジャンルに積極的に取り組む才気煥発なマルタ・アルゲリッチ・コレクション第4巻
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2008年からドイツ・グラモフォンが傘下のレーベルとのコラボで順次刊行している彼女のセット物の4巻目に当たり、この巻を含めるとCDの数だけでも27枚になる。
今回はアルゲリッチのフィリップスへの全録音が6枚のCDに収録され、曲目の上でもまたその演奏においても多彩を極めた内容が盛り込まれている。
また廉価盤化されたこれらのCDの中には、既に入手困難になっているものも含まれるのでファンにとっても朗報に違いない。
同世代のピアニストでは、レパートリーを限定してアンサンブルには殆んど手を染めないポリーニとは全く対照的な活動をしている彼女だが、それは常に外部からの刺激を求めてソロ以外のジャンルにも興味津々で積極的に取り組む才気煥発な性格を示している。
CD1のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番とチャイコフスキーの同第1番は、前者が1982年のリッカルド・シャイー指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団、後者がキリル・コンドラシン、バイエルン放送交響楽団との協演で、どちらもライヴ特有の緊張感と熱気がいやがうえにも会場の雰囲気を盛り上げている。
またCD2サン=サーンスの『動物の謝肉祭』は、彼女としては際物的なレパートリーだが、協演者達がすこぶる充実していて、この手の曲のキャスティングとしては豪華そのものだ。
因みにヴァイオリンはギドン・クレーメル、チェロがミッシャ・マイスキー、連弾の相手はネルソン・フレイレという顔ぶれだ。
CD3でのマイスキーとのシューベルトの『アルぺジョーネ・ソナタ』も真摯なデュエットが好ましい。
一方バルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』はCD5でコヴァセヴィチと入れているが、同曲のオーケストラ版はCD6のフレイレとのデュオで聴き比べができる。
更にフレイレとはCD4でラフマニノフ、ラヴェル、ルトスラフスキーの作品での白熱の連弾を披露している。
30ページほどのブックレットには簡易なライナー・ノーツの他に、初出時のジャケット写真と曲目及び録音データ、数葉のスナップが掲載されている。
録音状態はいずれもフィリップスらしい切れの良い鮮明な音質が特徴で、時代的なハンディは感じさせない。
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