2019年10月26日

ブン大将閣下の面目躍如、フェルナンド・コレナのリサイタル


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イタリアやフランスのオペラ・ブッファに必ず登場するのがバス歌手が演じるコミカルな役柄で、こうした役を演じさせたら天才的な能力を発揮したのがフェルナンド・コレナだった。

彼の受け持った役柄は頑固でケチ、好色だが間抜け、ひょうきんでお人好し、知ったかぶりの権威主義者など、劇中でも最も人間臭い性格を持っていて、しばしばとっちめられてひどい目に遭わされる人達だ。

これはイタリアの伝統芸能コンメーディア・デッラルテの登場人物から受け継がれたキャラクターだが、イタリア・オペラの中ではペルゴレージからロッシーニ、そしてドニゼッティからヴェルディ、プッチーニに至るまで出番に事欠かない役柄でもある。

彼はおそらくメトの先輩であるイタリア人のサルヴァトーレ・バッカローニから多くを学んだに違いない。

しかし役柄は定型にはまっていても、彼はバッカローニとはまた異なった、ユニークなおかしさを持っていて実に魅力のあるバスだった。

残念ながら筆者はコレナの舞台を実際に観ることはなかったが、この録音を聴いても彼の演じた『チェネレントラ』のドン・マニーフィコや『アルジェのイタリア人』のタッデーオ、そして『秘密の結婚』のジェロニモなどは抱腹絶倒ものだ。

しかし彼の芸はドタバタになりかねない一歩手前で、芸術的な芝居の領域にしっかり踏みとどまっている。

それは往々にしてこうした人物が主役を引き立てる脇役であって、その領分を充分にわきまえていたからに他ならない。

実際オペラでも脇役として活躍する歌手は頭脳プレイが巧みであることが多いものだ。

こうした役柄に徹した彼の本領は、このアリア集の中でも充分に堪能できるが、特に最後に置かれたオッフェンバック作曲『ジェロルスタン大公妃』からの「我輩はブン大将閣下」は絶品のひとつだ。

全曲とも1956年のモノラル録音で、音質についてはオケの部分に時代相応の貧弱さが無きにしも非ずだが、幸い声については良く採られていて鑑賞に全く不都合はない。

初出時のLPの曲目とデザインをそのままCDに移したもので、収録時間は短いが、デッカ・リサイタル・シリーズのオリジナル・コレクション仕様ということになる。

内側だけがプラスティックの紙ジャケットで見返しに当時のライナー・ノーツが小さく印刷されているが歌詞対訳は付いていない。

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classicalmusic at 13:24コメント(0)ロッシーニ | サン=サーンス 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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