2020年01月30日

イタリア四重奏団の軌跡、ドイツでの放送用音源集大成


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イタリア四重奏団(1945年結成、1980年解散)のドイツにおける初期の放送用音源を3枚のCDに纏めたアウディーテ盤で、1951年から63年にかけての総てがモノラル録音だが、当時の西ベルリンRIAS制作のオリジナル・アナログ・テープは音質に優れ保存状態も良好だ。

また新規のリマスタリングによって、イタリア四重奏団の持つ明るい音色、しなやかだが芯のある毅然とした音質と、どんなに小さなモチーフでも歌い出さずにはいられない宿命的とも言える彼らのDNAを感じさせる演奏が甦っている。

メンバーはヴィオラ・パートを除いて35年に及ぶ全活動期間を通じて不動だった第1ヴァイオリンのパオロ・ボルチャーニ、第2ヴァイオリンで後にボルチャーニ夫人になったエリーザ・ペグレッフィ、チェロのフランコ・ロッシに、ヴィオラには1947年から77年迄の全盛期を支えたピエロ・ファルッリが加わっている。

イタリア四重奏団は北イタリアのカルピで戦後逸早く結成されたカルテットで、彼らの活動期はイタリア・オペラ黄金期と重なっていながらインターナショナルな演奏活動を展開した、イタリアでは殆んど唯一の弦楽四重奏団だった。

レコーディングではベートーヴェンとモーツァルトの弦楽四重奏曲全曲が骨子になっているが、また彼らのポリシーに現代音楽の演奏と聴衆の啓発があり、当初は批判の声を浴びながらもコンサートのプログラムには絶えず20世紀の作品が採り上げられた。

ここではマリピエロとショスタコーヴィチでその片鱗を窺うことができるが、ラヴェルでもその表現力は斬新かつ鮮烈だ。

ちなみにライナー・ノーツにはケルビーニ、ドニゼッティ及びショスタコーヴィチの3曲は初CD化の記載がある。

テクニカル・ポリシーとして彼らは全員が金属弦を使用していたこと、セッション、ライヴを問わず全曲暗譜で演奏に臨んだことが挙げられる。

前者はガット弦では演奏中に弦の弛みが生じて楽章間の再調弦が必要になり、曲によっては緊張感の弛緩が避けられないからで、後者はアンサンブルの緊密化を図るためだ。

楽譜を追うことに囚われず、メンバー1人1人がお互いに聴き合い、譜面台のスペースからも開放されることによって、練り上げられたアンサンブルの妙味が醸し出される。

この方法は他にスメタナ四重奏団にしかみられない革新的な演奏形態だった。

しかしプログラム全曲を暗譜するには個人的な練習はともかくとしてそれに見合った合わせ稽古の時間を捻出しなければならなかった。

ペグレッフィの回想では午前中に稽古を始め、昼食、夕食を挟んで深夜まで続くことが日課だったとしている。

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classicalmusic at 12:23コメント(0)イタリアSQ  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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