2019年07月05日

巨匠クナッパーツブッシュ、ウィンナ・ワルツとは思えぬほどの迫力と内容をスケール豊かに描き上げてゆく巨人ぶり


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ハンス・クナッパーツブッシュがステレオの初期に英デッカに録音した2枚の小品集は、クナのファンの間では定評のある名盤で、『ウィーンの休日』と題された本CDはその中の1枚。

クナッパーツブッシュがウィーン・フィルを指揮してウィンナ・ワルツを演奏した好選曲ディスクである。

ただ、彼の個性が強く出ているため、全体にリズムがややきついのだが、大指揮者クナッパーツブッシュの余技を知る意味では意義があり、彼のファンには聴き逃せない。

クナはワーグナーやブルックナー、ブラームスを得意としていたが、その録音を、じっくり分析的に聴いてみると、天才的なリズム感の良さが明らかになる。

テンポ設定が遅いケースが多いために、それが表面に出て来ないだけなのだ。

さすがにウィーン・フィルの楽員はそれを見抜いていて、巨匠にプロポーズの手紙を出し、記念舞踏会の指揮を頼んだという。

これはステレオ録音に間に合った晩年の録音の1つ(カルショウのプロデュースとされ、資料によれば1956年ゾフィエンザール録音)で、音質も良く、クナの芸格の大きさを楽しむには絶好だ。

レコーディングだというのに、ほとんどリハーサルなしのぶっつけ本番で、これだけオーケストラを掌中に収め、小品とは思えぬほどの迫力と内容をスケール豊かに描き上げてゆく巨人ぶりには、ただただ圧倒され、頭を下げるしか方法がない。

ウィンナ・ワルツだからといって矮小にしないところが素晴らしいが、それでいて随所にニュアンスの花が咲き乱れている。

《アンネン・ポルカ》《ウィーンの森の物語》などが良い例だが、ベスト演奏は疑いもなく十八番中の十八番にしていた《バーデン娘》、次いで《ウィーンの市民》であろう。

まさにワーグナーやブルックナーと変わらぬ巨大さで、このド迫力は作品を完全に超えてしまっているが、決してうるさくもなくわずらわしさもない。

ハイドンやベートーヴェンのような古典でさえ聴衆を驚かせるクナのこと、《バーデン娘》のクライマックスは楽しくて仕方がなかったに違いない。

トロンボーンのグリッサンドは、ギャグが至芸の域に達したケースの典型で、何度聴いても笑いを堪え切れない。

《ウィーンの森の物語》の味の濃さも同じだし、《アンネン・ポルカ》の節回しも無類で、ニュアンスの豊かさも別格、《浮気心》と《トリッチ・トラッチ・ポルカ》は爽やかな演奏で楽しめる。

そしていずれの曲にもウィーン・フィル黄金時代の濃厚な音色感が溢れているのである。

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classicalmusic at 14:28コメント(0)クナッパーツブッシュ | シュトラウス 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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