2019年11月03日

一世を風靡したグリュミオーのモーツァルト作品集


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2016年がアルテュール・グリュミオー没後30周年に当たり、逸早くユニヴァーサル・イタリーからリリースされたのがフィリップス音源のモーツァルト演奏集を網羅した19枚のバジェット・ボックスだ。

グリュミオーがレパートリーの中でも最も得意とした作曲家の一人がモーツァルトであったことは疑いないが、彼は何よりも美音家として名を馳せた。

洗練された甘美で豊潤な音色を武器に、スタイリッシュな奏法を駆使して一世を風靡した演奏は現在でもその輝きを失ってはいない。

確かに現代のヴァイオリニストの演奏に比べれば、協奏曲でのポルタメントを随所にかけたやや官能的でロマンティックな解釈は時としてモーツァルトらしくないかも知れない。

しかし彼の持っている洗練された音楽性が、自然にその曲想に反映するような音楽においては最良の効果を発揮する顕著な例がこのモーツァルトだ。

それは同じ世代のヴァイオリニスト、シェリングとは好対照を成していて興味深い。

後者の場合は自然発生的な音楽の発露としてではなく、むしろ構築され練り上げられていく表現だからだ。

確かにポルタメントをふんだんに取り入れた、ロマンティックなグリュミオーの歌い口は、たとえ彼が当時モーツァルトのスペシャリストであったとしても、来たるべき時代のモーツァルトの解釈とは言えないだろう。

しかしそれは独特の説得力があり、理屈抜きで彼の奏法に引き込んでしまう魅力を持っている。

特に黄金のコンビだったクララ・ハスキルとのソナタ集や2種類の協奏曲集は至高の名演として不滅の輝きを放っている。

その他にも、自らグリュミオー・トリオを率いてウィリアム・ベネットと組んだフルート四重奏曲や弦楽五重奏曲などは、音楽として先ず完璧に美しく、耽美性を排した颯爽として高貴な風格を持った彼ならではのスタイルが記録されている。

協奏曲集(新録)では、コリン・デイヴィス率いるロンドン交響楽団の潔く速めのテンポがグリュミオーのソロを極めて効果的に支えているのも特筆に値する。

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classicalmusic at 12:07コメント(0)モーツァルト | グリュミオー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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