2019年07月10日

祝80歳!ボーイッシュなメゾ・ソプラノ、ブリギッテ・ファスベンダーの魅力


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20世紀ドイツを代表するメゾ・ソプラノ歌手、ブリギッテ・ファスベンダーの歌曲、宗教音楽、オペラ、オペレッタの録音からのベスト・セレクション。

この8枚組のセットでは今月3日に80歳になったファスベンダーの1960年代初頭から90年代まで幅広い年代の歌を楽しめるもので、彼女の歌唱芸術を一通り鑑賞できるのが魅力だ。

ブリギッテはドイツの往年の名バリトン、ヴィリ・ドムグラーフ=ファスベンダーの娘で、父親譲りの美声と彼自身の指導によって声楽の基礎を習得した。

彼女の声質は輪郭のはっきりした、やや暗めの音色を持つメゾ・ソプラノで、その響きから言えば先輩クリスタ・ルートヴィヒより開放的で、時に羽目を外したパッショネイトな歌唱は特に舞台芸術、つまりオペラやミュージカルの世界でも高い人気を博した。

また声だけでなく彼女はボーイッシュなスタイルと性格を持っていたことから、『薔薇の騎士』のオクタヴィアンや『こうもり』のオルロフスキー侯爵などで当たり役を取っていた。

ドイツ・リートでもシューベルトの『冬の旅』、シューマンの『詩人の恋』やマーラーの『さすらう若人の歌』など、男声により適しているとされる歌曲集にも挑戦し、絶唱を聴かせている。

尚オペラのシーンについては全曲盤からのピックアップだが、実際の舞台の映像をご覧になりたい方は、グラモフォンからリリースされたカルロス・クライバーのDVDセットで彼女の抜きん出た演技を堪能できる。

彼女は現代音楽にも造詣が深く、このセットでもシェーンベルク、ミヨー、ベルクの作品で独自の強い感性と声楽的に高度なテクニックを駆使した斬新な解釈を披露している。

特に7枚目に抜粋で収められたベルクのオペラ『ルル』での同性愛者ゲシュヴィッツ伯爵令嬢は強烈な個性が炸裂した役柄だ。

この録音は1991年にパリのテアトル・デュ・シャトレで上演された、ジェフリー・テイト指揮、フランス国立管弦楽団によるチェルハ校訂3幕版のデジタル・ライヴだが、ファスベンダーは主役ルルを演じるパトリシア・ワイズ以上の凄みを聴かせている。

この公演ではまた、老シゴルヒを最晩年のハンス・ホッターが演じているのも興味深い。

性格的な表現を得意とし、数々の名唱を聴かせてきたファスベンダーの歌は、どれも表情が豊かである。

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classicalmusic at 00:36コメント(0)ベルク | シェーンベルク 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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