2019年10月21日

メランコリックな対位法、ヤーニチュの四重奏曲集


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カナダのピリオド・アンサンブル、ノットゥルナが2008年から2010年にかけて手がけたヤーニチュの四重奏曲集の第1集で、このディスクではファースト・レコーディング3曲を含む5曲が収録されている。

ノットゥルナのリーダーでカナダのバロック・オーボエ奏者クリストファー・パラメータのごくクラシックな解釈が手堅いアンサンブルと相俟って、古風な響きの中に作曲家の精緻な書法を美しく再現している。

曲のスタイルはバロック後期特有のギャラントになびいていて曲想の劇的な展開や荘重さから解放された流麗なメロディー・ラインと平明な和声を自在な対位法で綴り、バロックの終焉を予感させるような哀愁を湛えている。

とりわけ第1曲目のト短調ソナタは第3楽章にコラール『こうべは血潮と涙にまみれ』をオーボエ・ソロで浮かび上がらせるメランコリックな曲趣が典型的なヤーニチュの作風を示している。

曲によって若干楽器編成が異なっていて、演奏者はオーボエとオーボエ・ダモーレのパラメータ、第2オーボエにステファン・バード、トラヴェルソのミカ・パターマン、ヴァイオリン及びヴィオラのエレーヌ・プルーフ、ヴィオラのカスリーン梶岡、チェロのカレン・カデラヴェクが交替するクァルテットの編成だが、通奏低音にチェンバロのエレン・エリヤールが加わり演奏者は常に5人になる。

ピッチはa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

録音は2008年にケベックのサン・トギュスト教会で行われたが、潤沢な残響が全く煩わしくない音響空間と古楽器の音色を鮮明に捉えた臨場感は特筆される。

プロイセンのフリードリッヒ大王の宮廷楽団は、北ヨーロッパを代表する17名の音楽家によって構成されていたが、コントラバス奏者としてメンバーに加わったヨハン・ゴットリープ・ヤーニチュは大王即位以前から作曲家としても信頼されていたようだ。

彼は1740年から年俸350タラーで雇われているので、同僚のチェンバリストで大バッハの次男、C.Ph.E.バッハの300タラーと比較しても厚遇されていたことが想像される。

ヤーニチュの作品は室内楽だけでなくカンタータやオーケストラル・ワークに至る幅広いジャンルに亘っていたとされるが、残念ながら先の大戦で多くは焼失したようだ。

このディスクに収録された三つのソロ・パートと通奏低音の4声部で書かれたソナタは合計28曲に上るらしいが、ノットゥルナはこの内15曲を採り上げて収録している。

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classicalmusic at 14:29コメント(0)ヤーニチュ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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