2019年10月20日
ピリオド楽器によるリラックス・タイムのためのデュエット集
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「甘美な響きの調和」と題されたこのディスクにはリーザ・べズノシュークのトラヴェルソとナイジェル・ノースのバロック・リュート及びギター演奏で、バロックからロマン派までの心和む7曲のデュエットが収められている。
入門者あるいは古楽に全くなじみのない方にも理屈なく楽しめるアルバムだが、演奏は古楽ファンも充分満足させるだけの質と内容を持っている。
金属管のフルートでは出すことのできない柔らかでぬくもりのあるトラヴェルソの音色とリュートやギターの古雅な響きが溶け合った穏やかで優しい音楽は、リラックス・タイムのBGMとしても最適だ。
ちなみにべズノシュークのトラヴェルソは、ロカテッリとC.Ph.E.バッハのソナタには1745年製のG.A.ロッテンブルグのワン・キー・モデル、その他の曲には1790年製H.グレンザーの8キー・モデルを使用している。
ノースは同じく最初の2曲にモデル名の明記されていない13弦リュート、その他には1815年製J.パヘス・モデルの6弦ギターをそれぞれ用いている。
リーザ・べズノシュークはトレヴァー・ピノック時代のイングリッシュ・コンサートを始めとする英国の主要なピリオド楽器使用のバロック・アンサンブルのメンバーでもある。
夫はバロック・チェリストのリチャード・タニクリフ、弟パヴロはバロック・ヴァイオリニストという古楽ファミリーのメンバー。
彼女自身既にバッハやヘンデルのフルート・ソナタ全集をリリースしていて、ロンドンではレイチェル・ブラウンと並ぶベテラン女流トラヴェルソ奏者だ。
一方リュートとギターを弾くナイジェル・ノースはグスタフ・レオンハルトの下で古楽を修めたイギリスを代表するリュート奏者。
リン・レーベルからバッハの『無伴奏チェロ組曲』のリュート編曲版などの優れたディスクを出している。
このセッションは1986年に英ブリストルのアーモンズバリー・パリシュ・チャーチという12世紀のゴシック教会で行われた。
古楽には欠かせない雰囲気と適度な残響が活かされていて音質も鮮明だ。
アモン・ラー・レコーズは、オリジナル楽器やピリオド楽器を使った珍しい曲目のセッションをリリースしている英国のマイナー・レーベルだが、演奏者はその道では名の通った人ばかりで、通常殆んど聴くことがないレアな作品を質の良い演奏で鑑賞できるのが特徴だ。
ただ最近の新録音はないようで、過去の音源をコレクター向けに細々と再生産しているのは残念だ。
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