2019年09月13日
シュタルケルとシェベックのスリリングな掛け合い、迸るアンサンブル、マーキュリーの優秀録音
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先ずこのディスクを聴いての第一印象は音質がずば抜けて優れていることだ。
録音は1962年及び1963年だが、この時代のマーキュリー社は驚異的な録音技術を誇っていた。
臨場感に溢れ、低音から高音まで鮮明で潤いのあるそれぞれの楽器の音色やバランス等、どれをとっても申し分ない。
だがそれにも増してシュタルケルの流麗でありながら気骨を感じさせるチェロと、シェベックの思い切った、鮮烈なピアノの表現がことのほか素晴らしい。
シュタルケル40代の録音で、脂の乗った勢いを感じる。
彼は闊達な節回しを持ち味であるが、ここでの演奏は、むしろ流麗な歌というべきフレージングが随所に見られて驚いた。
これに応えるシェベックのピアノもメリハリが利いていて、演奏全体を引き締めている。
この2人が縦横無尽に丁々発止としたやりとりを交わす様は非常にセンシティヴでスリリングだ。
メンデルスゾーンのヴァリエーション・コンチェルタンテでは上品な様式美を再現し、ショパンの序奏と華麗なるポロネーズ、そしてマルティヌーのロッシーニのテーマによるヴァリエーションでは両者とも胸のすくような超絶技巧を炸裂させる。
一方ショパンのチェロソナタト短調とドビュッシーの同ソナタニ短調では2人の洗練された音楽的センスが聴き所だろう。
特にショパンは、やはりピアノを核とした独特の世界をチェリストが表現することのむずかしさを思わせる面もあるが、シェベックのピアノと合わせて非常に鮮烈な印象を残す演奏となっている。
最後に置かれたバルトークのラプソディー第1番とヴェイネルのハンガリアン・ウェディング・ダンスは、さらに聴きどころが多く楽しめた。
さすがにお国ものだけあって、民族色を表に出した骨太で力強い演奏が特徴だ。
繰り返しになるにしてもこのマーキュリーの録音はやはり素晴らしい。
演奏者の姿が見えそうな臨場感があり、何気なく聴いていても引き込まれていく。
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