2019年10月17日

イル・ガルデッリーノの新譜、バッハのトラヴェルソのための作品集


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ベルギーのピリオド・アンサンブル、イル・ガルデッリーノは古楽の故郷ネーデルランドの古い伝統を受け継ぎながら、インターナショナルなメンバーが情熱的な演奏を繰り広げる、もはや古楽の老舗的グループである。

基本的に各パート1人に通奏低音の補充にヴィオローネが加わる編成だが、後半の2曲ではソロ楽器としてもチェンバロが大活躍する。

このアンサンブルの創設者の1人でトラヴェルソ奏者、ヤン・デ・ウィンネは古楽器製作者でもある。

当然このディスクに収録された3曲は彼の製作したピリオド楽器、2キー・タイプのクヴァンツ・モデルを使ったソロになる。

写真を見る限りではオリジナルと同じ黒檀材を使っているが、ピッチは現代よりほぼ半音低いa'=415Hzの替え管のようだ。

クヴァンツ・モデルの特長は転調に強く、低音から高音まで音量が豊かで協奏曲でも他の楽器に埋もれることなく華やかな効果を上げることができる。

バロック・ヴァイオリンはポーランドの若手ヨアンナ・フシュチャで、使用楽器はヘンドリック・ヤコブスの手になる17世紀のオリジナル。

一方チェンバロはモスクワ生まれのイスラエル人ベテラン・チェンバリスト、ツヴィ・メニケルで1738年製クリスティアン・ファーターのコピーを演奏している。

2017年ベルギー、ボランドのサンタポリネール教会での録音は極めて良好。

バッハは横吹きの笛、つまりフラウト・トラヴェルソのための珠玉の名曲を生み出している。

無伴奏パルティータイ短調、チェンバロ付のソナタロ短調や、ここで演奏されている弦楽合奏を従えた管弦楽組曲第2番ロ短調、ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調及び三重協奏曲イ短調だが、他にもカンタータや受難曲でもトラヴェルソがオブリガートで演奏される場面が随所にみられる。

縦笛に比較して陰翳に富み表現力豊かな横笛が、ヴェルサイユ宮廷からヨーロッパ諸国へ熱狂的に波及することに一役かったのが、フリュート・トラヴェルシェールの名手だったオトテールだ。

後のロンドンではジャーマン・フルートと呼ばれたほどドイツの宮廷で持て囃され、楽器の改良も進んで4ピース、ワンキーの標準型が開発された。

中でもプロイセンのフリードリヒ大王の玄人裸足の演奏と彼の作品は当時のヨーロッパの宮廷趣味を象徴している。

大王のフルート教師クヴァンツが、同じ宮廷のチェンバリストだった大バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエルの7倍の俸給を受けていたことも事実だ。

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classicalmusic at 12:18コメント(0)バッハ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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