2019年09月17日

オルガン界の異端児、あるいは超一流の大道芸人、キャメロン・カーペンターのデビュー・アルバム


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1981年生まれのアメリカの若手オルガニスト、キャメロン・カーペンターのデビュー・アルバムになる。

名門ジュリアード&カーティス音楽院のオルガン科主任教授を務めた“オルガン界の保守派”ジョン・ウィーヴァー博士をして「地球上に存在するとも思っていなかったようなテクニック」と言わしめたキャメロン・カーペンター。

バーチャル・パイプ・オルガンの優勝者であり、全米シアターオルガン協会会報誌にて、「並はずれている(extraordinary)」と称される一方、「世界で最も物議をかもしているオルガン奏者だ」とも批判されている。

タイトルの『レヴォリューショナリー』は現在の保守的なオルガン界に、まさに革命をもたらさんとした彼の意気込みを表明したものだ。

テルデックからリリースされたファースト・アルバムはオルガニストとして初めてグラミー賞ソロ・アルバム部門にノミネートされ、オルガン演奏の常識を打ち破るアーティストと巷間噂話されている。

彼の鬼才を充分に発揮した演奏はそれ自体鮮烈で衝撃的だが、その驚異的なテクニックの前にいまひとつ音楽性が明瞭に浮かび上がってこない。

だがオルガンでショパンのエチュード『革命』を弾く必然性があるかと言えば首を傾げざるを得ない。

ボーナスDVDを観て頂ければ一目瞭然だが、確かに足鍵盤の上で両足をピアノの左手のように縦横無尽に疾駆させることは、肉体的に並外れた能力を必要とするには違いないが、それは一方で彼のヴィルトゥオジティの誇示に他ならない。

テクニックはあくまで音楽表現の手段であって目的には成り得ない筈だ。

こう言っては酷かも知れないが、鉾先を逸らせた安っぽい編曲物で勝負するより、いっそのこと全部自作のオリジナルを並べてくれた方が彼らしいアルバムになったと思う。

音楽は音の嵐や洪水ではない。

如何に多くの音を付け足して音楽を立派に見せるかということより、如何に音を省略できるかを考える方が難しい。

易しいテクニックで書かれた曲でも、持て余すことなく聴かせるすべを培ったならば、それこそ彼のレヴォリューションだろう。

超一流の大道芸人で終わるか、それ以上の存在になるか、これからの彼に期待したい。

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classicalmusic at 12:07コメント(0)ショパン | バッハ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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