2020年03月08日

コンドラシン、コンセルトヘボウ唯一のセッション録音となった『シェエラザード』


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



キリル・コンドラシンがコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したオーケストラル・ワークは、ライヴ録音でフィリップスからの8枚とターラ・レーベル3枚の都合CD11枚分が残されている。

それらは結果的に両者の緊密なコラボの集大成となって、それぞれのコンサートが彼らの実力を示して余りあるものだ。

しかしセッション録音となるとここに収録された1979年のリムスキー=コルサコフの『シェエラザード』が唯一になる。

地元オランダでのコンドラシンのレコード制作販売が商業ベースに乗る前に彼が亡くなってしまったからだろう。

カップリングされたボロディンの交響曲第2番は1980年6月のライヴで、フィリップスからリリースされた8枚のライヴ集から同音源が使われている。

録音状態はフィリップスが誇った切れの良い音質で、俄然この『シェエラザード』が優っている。

さながらオリエントへの神秘な旅といった印象が強く残る演奏で、荘重な開始と共にエキゾチックな曲想が優雅にきめ細かく再現され、全体としてスケールの大きなドラマに発展させているのは流石だ。

冒頭と各楽章の始まりにヴァリエーションで繰り返されるヴァイオリンのテーマはコンサート・マスター、ヘルマン・クレバースのソロだが、繊細でいくらか冷やかな音色がかえってこの作品に特有の夢幻性を開いていて秀逸だ。

また曲中至るところに現れるフルート、オーボエ、クラリネットやファゴットなどの華麗なソロは当時のコンセルトヘボウの首席奏者達の水準の高さとアンサンブルの巧妙さを示している。

これは歴史的録音の名に恥じない名盤としてお薦めしたい。

一方ボロディンは客席からの咳払いや拍手等が混入したライヴなので、その点割り引いて鑑賞しなければならないが、音質自体はホールの響きを良く捉えた良好なものだ。

こちらもコンドラシンが最も手中に収めたスラヴ物だけあって、ロシア国民楽派の意気込みを象徴するような劇的な開始が特徴的だ。

また第3楽章アンダンテの『中央アジアの平原にて』をイメージさせるホルン・ソロの導入による如何にも大陸的な抒情表現が美しいし、終楽章の熱狂的な民族舞踏にもコンドラシンのスラヴ魂が感じられる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 12:25コメント(0)コンドラシン | R=コルサコフ 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ