2019年11月30日

若き日のアバド、ピアニストから指揮者への道


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クラウディオ・アバド(1933-2014)がミラノのヴェルディ音楽院を卒業した後、ピアニストとしてのデビュー時代から指揮者に転向するまでのレコーディング5曲が収録された1枚で、新規のリマスタリングがされた興味深い音源だが、音質は時代相応といったところだ。

1曲目のカンビーニのピアノ協奏曲のみがモノラルで、その他はまがりなりにもステレオ録音で採られている。

カンビーニは1954年、アバド21歳の演奏だが彼の繊細なピアニスティックな音楽性が良く表れている。

ピアニストとしての彼の殆んど唯一の音源という意味でも貴重だ。

指揮は彼の父ミケランジェロ・アバドで、恵まれた音楽家のファミリーで育った、成るべくして成った根っからの芸術家だったことが偲ばれる。

またイタリア風の明快なピアニズムとカンタービレを奏でる歌心は流石に借り物でないDNAを感じさせる。

バッハの編曲になるヴィヴァルディの4台のチェンバロのための協奏曲では、アバドは第4チェンバロを弾いているようだが、第2にブルーノ・カニーノ、指揮がアルベルト・ゼッダという豪華メンバーだ。

ゼッダはロッシーニの権威で新ロッシーニ全集を編纂してリコルディから出版した音楽学者でもあり、こうした交友関係がアバドにとっては将来を準備する重要な音楽的素地になったと思われる。

後半のタルティーニの3曲のヴァイオリン協奏曲は、指揮者としてのアバドの能力が既に開花した1962年の演奏で、ヴァイオリン・ソロはフランコ・グッリだ。

グッリのストラディヴァリウスを使った明るく艶やかで快活な演奏は、当時としても理想的な演奏だったことが想像されるし、現在でもこれだけのタルティーニを弾ける人は稀だろう。

アバドのサポートはソロを活かした控えめだが、一方でバロックの様式に則った充実した音楽性が聴きどころだ。

彼がピアニストとしての活動をやめてしまったのは、勿論オーケストラの指揮により強いモチベーションを持ったからだろうが、また友人ポリーニが1960年にショパン・コンクールの覇者になったことも影響したのかも知れない。

アバドはこのレコーディングの6年後にはスカラ座デビューを飾り、翌年には同歌劇場音楽監督、71年にはウィーン・シュターツオーパーの首席指揮者に就任する。

こうした輝かしいキャリアの開始がこのCDに示されている。

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classicalmusic at 12:56コメント(0)アバド  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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