2019年10月14日

フルトヴェングラー、『ドン・ジョヴァンニ』のDVDを加えたグラモフォン、デッカ・コンプリート音源35枚


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既にライバルのワーナーからベートーヴェンとブラームスの交響曲全集が廉価盤でリリースされていたためか、先を越されたユニヴァーサルも遅れ馳せながらグラモフォン及びデッカ音源をようやく纏めてくれた。

35枚というディスクの数からすればこのセットもバジェット価格だが、コレクション仕様のしっかりした箱物で、ライナー・ノーツも76ページと充実している。

巻頭にはふたつの興味深い書き下ろしエッセイ、ノルマン・レブレヒトの『フルトヴェングラーの失脚と栄達』とロブ・コワンの『あどけないディオニュソス』を英、独文で掲載している。

収録曲目、トラック・リスト及び録音データの他に対訳こそないが、巻末には作曲家別の曲目索引が付いているので、ディスクを検索する時に、何年にどのオーケストラを振ったものかが一目で判別できるようになっているのも親切な配慮だ。

フルトヴェングラーの演奏集は既にLP、CD、SACDなどあらゆるメディアで出尽くしているので目新しい音源は期待していなかった。

全体が4部分に分けられていて、CD1-3は1929年から37年までの早期録音集、CD4-16が1942年から45年までの戦時下の録音、CD17-33が1947年から54年までの戦後の録音集で、残りの2枚はボーナス・ディスクになる。

CD34が1926年のベルリン・フィルとのベートーヴェンの交響曲第 5番と51年のベルリン音楽大学での講演、そして最後のディスクは1954年ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮したモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』全曲のDVDという内訳になっている。

尚戦後の録音は更にピリオド別に初期7枚と後期4枚のラジオ・レコーディング、3枚ずつのドイツ・グラモフォン及びデッカからのリリース盤に別れている。

『ドン・ジョヴァンニ』は比較的良い状態の映像で残されていて、音質も歌手陣の声を良く捉えていて秀逸。

解釈はごくクラシックで平明な勧善懲悪的な演出で統一されていて、現代においては幾らかありきたりかも知れないが、、それを補う実力派キャストの歌唱は当時としてはおそらく最高峰と言って良いだろう。

チェーザレ・シエピのタイトルロールはイタリアのバスの典型でもある、深く凛とした美声を駆使したカンタービレが特徴的だが、また舞台映えのする容姿とおおらかな演技にも説得力がある。

3人の女声、ドラマティックなグリュンマーのドンナ・アンナ、表情豊かなデッラ・カーザのドンナ・エルヴィーラ、軽快なベルガーのツェルリーナもそれぞれ対照的な性格を巧みに描き出している。

男声もコミカルなエーデルマンのレポレッロ、またここでは高貴で真面目な青年に徹するデルモータのドン・オッターヴィオや田舎者マゼットを好演する若き日のヴァルター・ベリーが充実した舞台を創り上げている。

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classicalmusic at 12:11コメント(0)フルトヴェングラー | シエピ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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