2019年11月16日
フルニエのテクニックと音色を最高度に捉えたブルーレイ・オーディオ盤
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ドイツ・グラモフォンからは既に25枚組のピエール・フルニエ・エディションがリリースされている。
その中から先ずバッハの無伴奏チェロ組曲がブルーレイ・オーディオ化され、そして今回ベートーヴェンのチェロとピアノのための全作品集が加わった。
しかしここでもレギュラー・フォーマットのCD2枚と抱き合わせのセットになっている。
小出しに高音質化をしていくところにユニヴァーサルの商売気が感じられないこともないが、24bit/192kHzでリマスタリングされたブルーレイで聴く限り音質はやはり向上している。
両者の音像が広がり過ぎず、中央に位置するチェロとやや右側後方のピアノのバランスが奥行きを感じさせながら、まとまりの好い状態で再生される。
チェロのソロは確かに解像度が高く、今まで聴き逃していた微妙な擦弦音や表現の変化も聴き取ることができる。
一方ピアノは従来のCDではいくらかきつく感じていたところも硬さがとれて光沢のある、よりまろやかな響きになっている。
それによってグルダの軽快なウィーン流の奏法も更に快活に聴こえてくる。
このセッションが行われたのは1959年で、録音会場はウィーンのムジークフェライン・ブラームス・ザールである。
この時フルニエは52歳の円熟期で表現力とテクニックにおいても全盛期を迎えていた。
グルダはその頃29歳で新進気鋭の若手ピアニストだった。
このベートーヴェン作品集は彼らの最も充実した時期の、自由闊達な中にも幸福感を感じさせる演奏だ。
フルニエはこの6年後にもケンプと組んで同じ曲集をパリのプレイエル・ホールで再録音している。
どちらか一方を選択するとすれば、筆者個人としてはグルダの若さと覇気が絶妙な雰囲気を醸し出しているこちらをお薦めしたい。
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