2020年03月02日

輝かしい美声の記録、カレーラス・オペラ・リサイタル


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ホセ・カレーラスが1973年のイタリア歌劇団公演で初来日し、ヴェルディの『椿姫』でのアルフレード役をレナータ・スコットのヴィオレッタとのキャスティングで歌ったのは伝説となっている。

その時まだ20代だった彼の貴公子然とした若々しい舞台姿はわが国でも人気を博した。

その後彼が歌曲をもレパートリーにし順風満帆に思えたが、カレーラスはその全盛期に白血病で倒れた。

1990年に奇跡的なカムバックを果たしてオペラ界を驚かせたが、リリコ・スピントのテノールの魅力を堪能させてくれた時期はまさにこのCDに録音された1970年代から80年代にかけての歌唱だろう。

それは3大テノールとして騒がれる以前のことで、ここでは惜しげもなく聴かせる輝かしい声の迫力と同時にリリカルな美声の魅力で抒情的な歌心を披露しながらも、様式をわきまえた折り目正しい歌唱が清々しい印象を与えている。

彼はロマン派のオペラを重要なレパートリーにしていたが、この曲集では全曲が声を最大限に優先させるイタリアの作品ばかりを集めている。

また普段は滅多に上演されることのないマイナーなオペラからの数曲のアリアがこのアルバムを一層興味深いものにしている。

ベッリーニやドニゼッティのリリシズムは単に英雄的な大音声では表現し得ない豊かな情感とテクニックで聴かせなければ面白くない。

このアリア集を聴いているとカレーラスのそれは鍛え上げられたというよりも、むしろ天性の賜物を豊富な舞台経験によって磨きをかけたという印象を受ける。

それだけに彼の自然な発露としての歌声が際立った演奏だ。

11曲目までがロベルト・ベンツィ指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のサポートによる1976年の録音で、後半のボーナス・トラックはへスス・ロペス=コボス指揮、ロンドン交響楽団との1979年のどちらもフィリップス音源になる。

CDには歌詞対訳が省略された曲目及び録音データのみが記載された素っ気ないパンフレットが付いている。

音質の方はリマスタリングの効果もあってカレーラスの情熱的な声は勿論、オーケストラの音色も瑞々しく再現されている。

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classicalmusic at 13:12コメント(0)ドニゼッティ | ベッリーニ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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