2020年03月25日
カルミニョーラ、ピリオド・スタイルでの最新盤、バッハのヴァイオリン・ソナタ集
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現在ではバロック・ヴァイオリンの大御所的存在のジュリアーノ・カルミニョーラがチェンバリスト、アンドレア・マルコンと組んだ最新盤で、先ず両者の音質の美しさに惚れ惚れとさせられる。
ネット配信の音源でもこれだけの音質を再生できる優秀な録音がこのディスクのセールス・ポイントのひとつだろう。
ヨーロッパの総てのヴァイオリン楽派はアルカンジェロ・コレッリにその源を辿ると言われているように、彼のDNAとその奏法は現代のイタリア人演奏家にも受け継がれていることを証明するような1枚だ。
バッハの織り成す対位法は勿論忠実に再現されているが、その中に節度のあるカンタービレと効果的な即興性などがちりばめられている。
また第6番の第3楽章では、マルコンが生き生きとしたチェンバロ・ソロでその腕前を披露している。
バッハが何故チェンバロだけの楽章を挿入したのかは知る由もないが、彼が興に乗じて弾いたであろう即興演奏を髣髴とさせる部分だ。
オブリガート・チェンバロ付の6曲のヴァイオリン・ソナタは、現在に至るまでさまざまな形態で演奏されてきた。
例えばカルミニョーラの師でもあったシェリングのモダン奏法にヴァルヒャがヒストリカル・チェンバロで伴奏した録音や、モダン・チェンバロで対応したコーガン、リヒター盤、あるいはピリオドには一切拘らずにピアノを使用したカピュソン、フレー盤などだ。
純粋な古楽のスタイル、つまりピリオド楽器にピリオド奏法での演奏というと、シギスヴァルト・クイケン、レオンハルト盤があり、通奏低音にヴィオラ・ダ・ガンバを加えたトリオ・ソナタ式のマンゼ盤もリリースされている。
これらはバッハの音楽の懐の深さと変幻自在の融通性を示していて興味深いが、このディスクはピリオド・スタイルの最新録音でもあり、古楽ファンには是非お薦めしたい。
使用楽器はライナー・ノーツによればヴァイオリンは作者不詳の17世紀のオリジナル、チェンバロはウィリアム・ホーンがコピーしたミートケ・モデルで、ミートケはケーテン時代のバッハがベルリンに赴いて宮廷のために購入した二段鍵盤を持つ大型チェンバロだ。
尚ピッチは現代より半音ほど低いa'=415Hzに調律されている。
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