2021年01月19日

エマヌエル・バッハのトラヴェルソを伴ったアンサンブル集


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パッサカイユ・レーベルからのピリオド楽器によるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハのトラヴェルソのためのソナタ2曲とカルテット3曲を収録したディスクで、演奏、音質ともに優れた1枚として古楽ファンにお薦めしたい。

トラヴェルソはベルギーの古楽器製作者でもあるヤン・デ・ウィンネで、ここでは彼自身がコピーしたアウグスト・グレンザー・モデルを演奏している。

この楽器はワン・キー・タイプだが古典期、例えばモーツァルトの作品にも盛んに使われた名器で、バロック期のモデルより軽快で、特に高音域の華やかな音色に特徴がある。

エマヌエル・バッハの音楽には漸次変化するクレッシェンドやデクレッシェンドが多用されていて、装飾的にも軽やかなギャラント・スタイルが大バッハとは既に一線を画しているのが興味深い。

ここには幸い無伴奏トラヴェルソのためのソナタイ短調が加わっている。

大バッハも同じくイ短調の無伴奏パルティータを作曲しているので、両者の作品を聴き比べるとそのコンセプトが明らかに異なっていることに気づかされる。

曲趣の新規さからも注目すべきソナタで、献呈されたフリートリッヒ大王が生涯演奏しなかったというエピソードにも真実味がある。

ピリオド楽器による録音がそれほど多くないので、デ・ウィンネの素晴らしい演奏を鑑賞できるのは貴重だ。

大バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルは青年期にプロイセンのフリートリッヒ大王の宮廷チェンバリストだった。

大王はトラヴェルソの名手クヴァンツにエマヌエル・バッハの7倍もの俸給を与えて師事していたために、玄人裸足のトラヴェルソ奏者兼作曲家でもあった。

そうした事情もあってエマヌエルもトラヴェルソのための作品を数多く遺している。

初期のソナタはバロック様式に則った通奏低音付だが、彼がベルリンを去った後のハンブルク・ソナタはオブリガートの鍵盤楽器パートが総て書き込まれている。

一方大王は当時まだ一般的でなかったフォルテピアノを複数台所有していたらしく、エマヌエルも日常的にそれらを弾いていたことが想像される。

彼が大王に献呈した『正しいクラヴィーア奏法』は、その後のピアノ教則本の元祖的な存在だ。

ここに再現された演奏では、往時を髣髴とさせるサウンドを楽しむことができる。

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classicalmusic at 10:58コメント(0)バッハ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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