2020年07月26日
ラ・プティット・バンドによるクイケン再録音の『クリスマス・オラトリオ』
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ラ・プティット・バンドを統率するシギスヴァルト・クイケンも70歳を越えた現在、以前と比べれば録音活動はめっきり少なくなったが、新録音には常に解釈を着実に更新した新鮮さが感じられる。
バッハの『クリスマス・オラトリオ』は彼の2回目の録音で、2013年のセッションをSACD化したもののリイシュー廉価盤になる。
ハイブリッド仕様ながらサラウンドの立体的な音像と臨場感に説得力がある。
レオンハルト亡き後シギスヴァルト・クイケンはオ−ケストラ及びコ−ラスのパ−トを原則1名と設定している。
ここでも彼の構想はあくまでもピリオド・スタイルによるバッハ時代の音響の再現に徹している。
同シリーズ盤になる『ロ短調ミサ』を聴いた時にはコ−ラスに申すし迫力があっても良いと思った。
こちらの方を聴いていると確かに各声部が明瞭で、音量自体はこじんまりしているがアンサンブルの鮮烈な音色や歌手達の生き生きした表現力を感じ取ることができる。
バッハはこの作品で多くの種類の管楽器とティンパニをを取り入れて特有の壮麗なサウンドと牧歌的な雰囲気を醸し出している。
ライナーノーツを見るとオ−ボエ、オ−ボエ・ダモ−レ、オ−ボエ・ダ・カッチャは第1及び第2奏者がそれぞれ持ち替え、ホルン奏者はトランペットを持ち替えで演奏している。
こうした割り振りも当時の演奏習慣に則った編成で、経済的にも教会の雇い入れる音楽家の人数もかなり制限された事情が窺われる。
同様に4人のソリストがコ−ラスの各声部を一人ずつ担当しているが、彼らは豊かな音楽性と真摯な表現でイエス降誕への祝福を幸福感の中に伝えている。
ベルギー、ル−ヴェンのプレディクヘ−レン教会での録音は潤沢な残響を採り入れながら鮮明な音像を捉えていて秀逸。
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