2022年08月29日

リヒテル晩年のライヴ、シュヴェツィンゲン音楽祭からのリサイタル


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ジャケット・デザインを一新したリニューアル盤。

リヒテルはその晩年までヨ−ロッパ各地の音楽祭に招かれて盛んな演奏活動を行った。

会場にはほとんど例外なく録音機材が持ち込まれ、彼が望むか否かに拘わらずメディア化されることになった。

この音源は1994年5月15日の南ドイツ・シュヴェツィンゲン音楽祭での一晩のリサイタルを収録したものだ。

ロココ劇場のライヴだが客席の雑音や拍手は一切なく、当初から放送用に使う計画があったようだ。

この頃のリヒテルは聴覚に変調をきたし、コンサートでは照明を落とし楽譜を前にしながらピアノを弾くようになった。

彼は聴衆の注意が演奏者ではなく、音楽そのものに向けられるように仕向けたと語っている。

当日のプログラムはグリ−グの『抒情小曲集』から「感謝」「スケルツォ」「小さな妖精」「森の静けさ」の4曲、フランクの『プレリュード、コラールとフ−ガ』、ラヴェルの『優雅で感傷的なワルツ』及び『鏡』。

リヒテル79歳の枯淡の境地と特有の神秘的な翳に包まれた演奏を披露しているのが興味深い。

さすがにかつての覇気はなくなって表現はより静謐だが、彼が円熟期になってレパートリーに取り入れたグリ−グの『抒情小曲集」は大自然の営みや温もりを感じさせるロマンティシズムが印象的だ。

またフランクは沈潜した内省的な音楽に仕上がっている。

確かにラヴェルの『鏡』から「道化師の朝の歌」では往年の目くるめくようなピアニズムは望めないしテクニックの衰えも否定できない。

しかし「蛾」や「鏡の谷」で聴かせるファンタジーは巧みなものだ。

さらに『優雅で感傷的なワルツ』での哲学的とも言える骨太な構成力はリヒテルならではの演奏だ。

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classicalmusic at 17:48コメント(0)リヒテル  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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