2020年02月03日

音楽性の深化、洗練を極めたヒラリー・ハ−ンのオーソドックスなバッハ無伴奏第2集


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ヒラリー・ハーンは1997年にCDデビュー(ソニー)、そのデビュー盤がバッハの無伴奏作品(ソナタ第3番、パルティータ第2番&第3番)だった。

このデッカからリリースされた『ヒラリー・ハーン・プレイズ・バッハ』をもって、実に20年の時を経て『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』全曲が完成することになる。

デビューからの約20年間でヒラリー・ハ−ンの音楽性は深化の一途を辿った。

レパートリーを広げ、ヴァイオリン協奏曲の王道的な作品を発表しながら、現代作品に至るまで広く取り上げる現代屈指のヴァイオリニストになった。

2003年にドイツ・グラモフォンに移籍した後は、グラミー賞2度受賞(ソニー時代にも1回受賞)を果たすなど、更に磨きの掛かった技術と音楽性で人々を魅了してきた。

今回デッカから発表されるバッハ・アルバムは、これまで歩んできたおよそ20年という歳月を振り返りながら初心に立ち戻り、新たな世界への一歩を力強く踏み出さんとする確かな意思を感じ取れる、研ぎ澄まされた音色に満たされている。

前述のようにヒラリー・ハ−ンは18歳の時にバッハの無伴奏3曲でディスク・デビューを飾り、その後残された3曲は録音を先送りしていた。

20年ぶりの解釈の変化を知るためにデビュー盤を聴き直してみたが、当時の颯爽としたフレッシュなイメージを残しつつ更に洗練味を増した、潔癖とも言うべき、非の打ちどころのないほどの完璧主義的スタイルを創り上げている。

その分幾らか覇気は後退しているが、これは曲目の性格に由来するものかも知れない。

つまり長丁場のシャコンヌを含むパルティータ第2番や大規模なフ−ガを持つソナタ第3番は既に録音済みなので、ここではむしろヴァイオリンを流麗に歌わせながら、ポリフォニーの綾を精緻に紡ぎだすことへの接点を究極的に追い求めた奏法を開拓しているのが聴きどころだろう。

それぞれの作品の解釈はデビュー当時と大差はなく、恣意的な表現はできる限り避けてバッハの音楽が聴き手に直接伝わるように演奏している。

それゆえ個性的な無伴奏を期待した人には当て外れかも知れない。

あくまでもオ−ソドックスの道を踏み外すことなく、その上に自己のスタイルを築いていくのは安易な道を選択しないハ−ンの矜持だろう。

その意味でもここに完結したバッハの無伴奏全曲は彼女の到達し得たひとつの境地を示していると言える。

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classicalmusic at 14:07コメント(0)バッハ | ヒラリー・ハーン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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