2020年04月06日

ベートーヴェン・イヤーに聴くヴィエンナ・スク−ル、伝統的音楽性(4)、初期室内楽の集大成


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ベートーヴェンの初期室内楽の集大成といえる2作品を、ウィーンの音楽家たちが最もウィーン的であった時期の名手による演奏で収めたアルバム。

このディスクもかつてのウィーン・フィルの奏者の演奏から醸し出される音楽の馥郁たる薫りと、替え難い特有の情緒が貴重な1枚だ。

彼らはメンバー同士でアンサンブルを組んで切磋琢磨していたので、こうした室内楽も常に自然体でありながら、非常に味わい深い趣を持っている。

またここに収録された2曲は田舎町のボンからウィーンに出て来たべートーヴェンが、精一杯の洒落っ気と商売気を出して作曲した作品である。

そこにはもちろんウィーン気質に取り入るような社交性の中にも確固とした形式と品の良さが感じられる。

最近、あるアンサンブルが演奏したゼプテットを聴く機会があったが、バリリ率いるウィーン・フィルのウィンド及びブラス・グループに比較すると、演奏技術はともかくとしてあまりにも冷たく思えてしまった。

特に第2楽章アダージョ・カンタービレでたっぷりと歌われるウラッハやバリリのメロディーは、恐らく現在では殆ど聴くことが叶わないウィーン風の哀感を漂わせている。

ヴィエンナ・スクールと言えば、典型的な古典派の作曲家ハイドン、モーツァルトそして初期のべートーヴェンやシューベルトもその範疇に入る。

ハプスブルク、マリア・テレージア時代の権謀術数をめぐらせた政略とは裏腹に宮廷趣味は洗練され、その屈託のない享楽嗜好は彼らの作風にも影響を及ぼしている。

ウィーンでは交響曲へのメヌエットの挿入がほぼ欠かせない条件だったことにも表れている。

また複雑さを嫌い、シンプルで明快な音楽が好まれたことが、そのまま古典派の様式として形成されていることも例外ではないだろう。

べートーヴェンは早くからメヌエットを捨て去ってしまったが、この2曲では当然の如く採り入れている。

特にゼプテットの第3楽章ではジェオメトリックとも言えるような、均整の取れた充実した変奏曲として扱われている。

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classicalmusic at 13:12コメント(0)ベートーヴェン  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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