2020年04月09日

巨匠リヒテルのキャリアに相応しい集大成盤


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大手メ−カ−がリリースしたスヴャトスラフ・リヒテルのボックス物の中でも、最も充実した内容を誇っているのが、このデッカのロゴを付けたユニヴァーサルの51枚組で、デッカ、フィリップス及びドイツ・グラモフォンへのコンプリート録音集になっている。

勿論ソロのみならず協奏曲やアンサンブル、フィッシャー=ディ−スカウのリート伴奏、また最後の2枚にはボ−ナス・レコーディングとして作曲家ブリテンとの貴重なデュエット集も収録されている。

今更リヒテルの芸術性について云々するのもおこがましいが、このセットを鑑賞していると、彼が如何に総合的な音楽観を持って活動していたピアニストだったかが理解できる。

ちなみにEMIとテルデックに入れたワーナーからの24枚組、アメリカでの録音を集めたソニーからの18枚組、名高いバッハの『平均律』全曲を収録したオイロディスクの14枚組はそれぞれに特徴があり、ファンにとってはいずれも聴き逃せないコレクションだろう。

リヒテルはいわゆるセッションによるレコーディングにそれほど熱意を示さなかった。

と言うより大の録音嫌いだったと言った方が適切かも知れない。

彼は聴衆の前でこそ自分の能力を発揮できると考えていた、ライヴに懸けたピアニストだったようだ。

しかしリヒテルの行うコンサートには、彼自身が望むか否かに拘わらず必ずと言っていいほど録音機材が持ち込まれ、結果的に立派なディスコグラフィーが出来上がってしまった。

ユーリー・ボリソフ著『リヒテルは語る』でも伝えられているように、ほんの幾つかのレコードを残して、その他を全部破棄できればどんなに幸福かと自嘲的に話している。

彼はまた演奏中のム−サ(芸術の女神ミュ−ズ)の降臨を信じていた。

後年セッションに応じた時に、都心を離れた中世の古城を好んで録音会場に選んだのも、彼を守護してくれるムーサからインスピレーションを得るためだったのだろう。

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classicalmusic at 12:49コメント(0)リヒテル  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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