2020年04月30日

ヴィエンナ・スクール、伝統的音楽性(5)


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ウェストミンスター・レーベルを代表する二人の名匠、ウラッハとバリリによる、心ゆさぶるブラームスの室内楽作品集。

ウィーン三羽烏の一人、若きデムスの覇気溢れるピアノもまた聴きどころだ。

ウラッハのクラリネット、イェルク・デムスのピアノによる2曲のブラームスでは、やはりウィーンの風情を決して押しつけがましくなく、むしろさりげなく漂わせているところが秀逸。

ウラッハの表現は飄々としていて、ことさら曲想に陰影を付けたり個性を強調するものではない。

特に両ソナタの緩徐楽章では彼のオープンでヴィブラートのないクラリネットの音色が、かえってブラ−ムス晩年特有の静けさの中に幾ばくかの諦観さえ感じさせる。

第1番第2楽章アンダンテでの消え入るようなピアニッシモや、第3楽章アレグレットのレントラー風の鄙びた響きとそれを支えるデムスのピアノはまさにウィ−ンの奏者のアンサンブルというに相応しい。

また第2番冒頭の愛らしいが、幾らか霞がかかったような青空をイメージさせる表現は現在では得難いものだろう。

若き日のデムスの伴奏は控えめだが巧みにソロをサポートしている。

ホルン三重奏曲も国粋主義的と言えるほど、演奏者は3人共にオーストリア人であるだけでなくウィーンで研鑽を積んだソリストだ。

第1楽章の穏やかな開始ではバリリのヴァイオリンにコッホの牧歌的なホルンが影のように従っていく。

バリリは情緒的だがあっさりしていて音色の美しさを際立たせている。

ここでもブラ−ムスのセピア色の曲想が美しい。

シューマンとの合作のFAEソナタにも転用された終楽章では、コッホのウィンナー・ホルンがその堂々たる音色を披露している。

全曲共に1950年代初期のモノラル録音だが、保存状態も音質も極めて良好で今回のUHQCD化は評価できる。

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classicalmusic at 12:44コメント(0)ブラームス  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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