2020年05月03日

ワーグナーはやはりクナッパーツブッシュに限る!音質良好な《神々の黄昏》1951年バイロイト・ライヴ


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《パルジファル》と並ぶワーグナーの最高傑作《ニーベルングの指環》に私たちは理想の録音と呼べるものを持っていない。

このクナッパーツブッシュの《神々の黄昏》は1951年のバイロイト音楽祭におけるライヴ。

戦後初の開催となったこの年の音楽祭では、カラヤンとクナッパーツブッシュという対照的な指揮者が《指環》のチクルスを分担した。

両方の演奏はEMIとデッカによって収録されたが、日の目を見たのはカラヤン指揮の《ワルキューレ》第3幕のみだった。

このクナッパーツブッシュの《黄昏》は1999年になってようやくリリースされたもので、しかも録音は英デッカ、これを朗報と言わずして何と言うべきか。

そして何という音!クッキリと浮かび上がってくるオーケストラの生々しい臨場感。

まだ管楽器が遠く、ときに隔靴掻痒の感はあるが、クナの音楽の強烈な粘性、底なしに深い呼吸感と濃厚な表情は身体が震えるほどすばらしい。

当時としてはきわめて良好な音質で、巨人クナッパーツブッシュのワーグナー解釈を聴くことができるのが何より有難く、レコード界の一大快挙と言えるところであり、この上は行方不明の前3作もぜひ発見してほしい。

あまりにすばらしいスタジオ録音の《ワルキューレ》第1幕に圧倒された筆者は、クナの《指環》全曲を耳にするのが悲願となった。

やがて登場したバイロイト・ライヴ3組(1956、57、58年)はあまりにも音が貧しく、これまでに度重なる高音質化が図られてきたにもかかわらず、未だに満足できるディスクが見当たらない。

いずれも音が貧しく、舞台上の声はかなり良くとれているのに奈落のオケは鮮明さを欠いており、せっかくのクナの表現がなかなか私たちに伝わってこない。

なまじ期待が大きかっただけにディスクを目にするのも腹立たしい気がしたものだ。

この1951年バイロイト・ライヴは《神々の黄昏》1曲だけではあるが、十二分に満足させ、堪能させ、感動させてくれた。

前記3組の音が良かったらと長嘆息だが、贅沢は言うまい。

一般的に評価が高いので今まで聴いてきたショルティ盤などが、なんと矮小に思えたことか。

歌手とウィーン・フィルの魅力だけで、肝心のショルティの音楽は薄っぺらだ。

演奏はプロローグから雰囲気満点、歌の背景のオーケストラが常にものをいい、ワーグナーの音楽の美しさに体がしびれてしまう。

物語が進むにつれておけの有機的な意味深さ、生々しさ、恐怖感が増してゆき、息もつかせぬ緊迫感など他に類を見ない。

しかもクナはひびきを凝縮させずにやりとげるのだ。

第1幕第3場、そして第2幕第3場、第4場、第5場あたりの凄みは圧倒的で、ときには美しさに泣けてくる。

歌手では戦後のバイロイト盤のキャストと比べて聴き劣る人もいるが、錚々たる人たちが揃っていて、全体に水準は高い。

特にブリュンヒルデ、ハーゲン、アルベリヒ、ワルトラウテなど最高で、何よりも心の表出がすばらしい。

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classicalmusic at 19:09コメント(2)ワーグナー | クナッパーツブッシュ 

コメント一覧

1. Posted by     2020年05月05日 17:09
この演奏のリハーサルはカラヤンが引き受けたらしい。明確なアインザッツ、集中力の高いアンサンブルからも若き指揮者が行ったのがわかる。
2. Posted by 和田   2020年05月05日 17:20
歌手の稽古もカラヤンが担当しているはずです。ブックレットの写真にもクナが指揮台にドッカと座ってカラヤンがピアノの前に居ます。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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